牧場の歴史をつなぐチーズ Cowbell(金ケ崎町)
「カウベル」は、酪農が盛んな金ケ崎町西部にあるチーズとジェラートの店。店主の渡辺みゆきさんが「自分の目が届く範囲でやりたい」と1人で作るチーズは、モッツァレラ、ストリング、ゴーダの3種類。冬はバターも作って販売している。
酪農家に生まれ育った渡辺さんが、「うちの牛乳の加工をやりたい」と東京での会社員生活を経て地元にUターンし、2009年に開業。チーズ作りを学ぶため3カ月間のオランダ修業も経験し、現地で牧場・チーズ工房・売店を営む家庭に住み込んで本場のチーズ文化に触れた。「向こうではチーズは日本の漬物のような存在。パンのお供として必ず食卓にあって、土地や家庭によって製法や味が少しずつ違う。だからオランダで習ってきたけれど、ここで作ればこの土地ならではの味になる、そうなっていればいいなと思って作っています」。
父親の死去に伴い酪農牧場は閉鎖となったが、周辺は酪農地帯だけに新鮮な地元の牛乳が手に入り、それを使ったチーズとジェラートを目当てに遠方から多くの人が訪れる。チーズを作るのは週1回。ジェラートもこだわって作っているため「全然手が回らない」と笑いつつ、「チーズ作りは奥が深くて興味が尽きない」と渡辺さん。時間を見つけながら、さまざまなフレーバーゴーダや長期熟成チーズに挑戦したいという。
チーズとジェラートの店 カウベル
金ケ崎町西根吉田沢1―188
0197・43・2570
営/11時~17時(10月~3月)
10時~18時(4月~9月)
休/月・火曜、年末年始(12月21日~1月8日)