花巻

医者と画人二足のわらじ 周徳の軸、額装32点 花巻市博物館企画展

医者、画家として活躍した周徳の生涯をたどる企画展「小野寺周徳~花巻画人の先駆的存在」

 花巻市博物館の企画展「小野寺周徳~花巻画人の先駆的存在」は、同市高松の同館で開かれている。医者と画人の「二足のわらじ」で活躍した小野寺周徳(1759~1814年)の緻密で気品に満ちた作品の数々を紹介し、生涯と画風の変遷をたどっている。31日まで。

 花巻城出入りの医師の子供として生まれた周徳は、医術修行のため江戸に上り、勉学に精励する傍ら、江戸画壇の中軸的存在だった谷文晁に学んだ。1809年に花巻城のふすま絵、びょうぶ絵を手掛けたことで画家としての名声を得て、弟子の八重樫豊澤、その弟子の橋本雪蕉とともに花巻三画人に数えられる。

 同展では粉本主義を経て、独自色を出していく時系列を「漢画風」「文人画風」「南画風」として分類。花や鳥、動物など得意とした題材を中心に軸や額装など32点が並ぶ。

 水面越しに悠然とたたずむ「静」と藻をはねのけて勇躍する「動」の2匹の鯉を対照的に描いた「鯉魚図」は、江戸随一の画家の下で研鑚(けんさん)を積んだ誇りを胸に、立身出世を象徴する伝統的な画題に挑んだ作品とされる。代表作の「花鳥図襖絵」は花巻城大改修に際して城の障壁画として描かれ、5羽の鶴を中心に梅の枝や芭蕉の葉が全体に動きや広がりを与えている。

▲びょうぶ絵の一部を額装した初公開作品「牡丹に猫図」

 傷みの激しいびょうぶ絵の一部を額に入れた4点が初公開で、このうち「牡丹に猫図」は、蝶をくわえた猫や背景のボタンを丹念に描いているのが伝わる作品。周徳が書や漢詩を習った及川崋山ら交流のあった人物の関連資料も展示する。

 小原伸博学芸係長は「江戸時代に名を馳せた花巻の画人は数えるほどしかいないが、その中で第一人者が周徳。漢詩も読むなど多才で花巻の歴史においても重要な人。格調高い画風、色調、細かな描き込みなど、医師でありながらここまで表現できる才能を知ってもらいたい」と話している。

 開館は午前8時30分から午後4時30分まで。問い合わせは市博物館=0198(32)1030=へ。

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