花巻

母子支援、心のケア まんまるママいわてが選定 「新しい東北」復興・創生顕彰【花巻】

まんまるママいわてのスタッフ
助産師常駐サロンなど評価

 東日本大震災の被災地の復興や課題解決に貢献する個人・団体をたたえる復興庁の2020年度「新しい東北」復興・創生顕彰に、県内の妊産婦・母子支援事業を展開する花巻市のNPO法人「まんまるママいわて」(佐藤美代子代表理事)が選定された。県南唯一で、県内各地で開催している助産師常駐の子育てサロンや産前産後ケア事業が評価を受けた。

 同顕彰は、復興や創生を目指す取り組みに焦点を当てることで、被災地内外へ広く発信しようと16年度に創設された。自薦・他薦を問わずに募集。20年度は149件の応募があり、書類審査や外部有識者による選定委員会を経て、岩手、宮城、福島3県と東京都の計11件を決定した。

 同団体は11年9月、沿岸の母親を支えようと、内陸の助産師を中心としたメンバーでつくる任意団体「いわて助産師による復興支援まんまる」として活動をスタート。釜石、陸前高田、宮古の各市と大槌町で子育てサロンやイベントを開催し、避難生活で不安を抱える母親の心の支えとなった。現在も沿岸地域での活動を継続している。

 14年に「まんまるママいわて」に改名後も、県内初の産前産後ケアハウス「まんまるぽっと」を花巻市に開設。20年には北上市にも同ハウス「まんまるだっこ」が完成し、精神的に不安定な産後の母親らのケアに当たっている。

 昨年10月からは、新型コロナウイルスの感染が広がる中、女性の多様な悩みに応えるため相談事業を始め、復興支援活動を超えて幅広い女性に寄り添う。

 受賞を受けて佐藤代表理事(42)は「震災から10年という節目の年に大変名誉な賞を頂き光栄」と喜びながら、「復興という名での支援だけでなく、変わらず母子支援を継続していく」と今後を見据える。

 顕彰式典は2月22日に仙台市で開かれる予定。

 同団体以外の本県の受賞団体と活動内容は次の通り。

 ▽釜石市甲子地区活性化協議会(釜石市)=甲子柿の普及・啓蒙(けいもう)活動▽チーム北リアス(野田村)=避難所や仮設住宅での支援、被災写真返却、読書を通したまちづくり支援など

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