一関・平泉

資源循環のまち目指し 一関市が木質チップ活用 2小学校ボイラー燃料へ

千厩小学校のボイラー室。木質チップとオイルの併用で校舎を温める

 一関市は、国から認定された市バイオマス産業都市構想に基づき、資源・エネルギー循環型のまちづくりを目指している。豊かな自然環境を次世代に引き継ぐため、市内で発生するバイオマスなどをエネルギー資源と捉えて活用に努めており、千厩と東山の2小学校では市内から供給される木材を使った木質チップボイラーが利用されている。

 両小学校で使われている木質チップボイラーは、市内で間伐されたまま山林に残っている林地残材などを市内に6事業者あるチップ製造業者が燃料用チップに加工したものを使用。受注、納入手配などは一関地方森林組合が行い、山林での集材や加工は「森林資源を活用する一関市民の会」などが取り組んでいる。

 2018年に開校した現千厩小のボイラーは、木質チップとオイルを併用するハイブリッド式。点火から燃焼までに時間がかかる木質ボイラーの弱点をカバーし、温水床暖房で児童の生活空間を温めている。

 目指しているのは、地域内で資源やエネルギーが循環する「資源・エネルギー循環型」のまちづくり。地域資源から効率的にエネルギーを創出し、地域内で有効に活用、地域で発生する廃棄物やバイオマスを再資源化してエネルギーの循環を図る。

 今後は2小学校の他にも公共施設へと木質ボイラーの普及促進を図るほか、薪(まき)ストーブの設置費補助などでより一層のバイオマス活用に取り組む。市農林部農地林務課の千葉拓也主事は「これまでは市外へと流出していた資源も、市内で活用し、循環できるまちづくりをしていきたい」と目標を語っていた。

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