北上・西和賀

ゲーム依存に警鐘 精神科医が講演 地域教育力向上フォーラム【北上】

青少年のゲーム依存と対応について講演する鈴木さん

 第9回きたかみ地域教育力向上フォーラム(北上市、市教委主催)は16日、市文化交流センターさくらホールで開かれた。参加者はゲーム依存に関する精神科医の講演や市、市教委の教育施策説明を通じ、子供たちの健全育成を支えるためにすべきことを考えた。

 新型コロナウイルス感染防止対策を徹底し、例年より規模を縮小。教員やPTA、地域づくり組織の関係者ら85人が参加した。

 社会医療法人智徳会未来の風せいわ病院(盛岡市)精神科医の鈴木りほさんが「青少年をネット依存から守るために~わたしたちができること~」と題し講演。ゲームに依存する「ゲーム障害」について、「脳科学の研究でもゲーム依存患者の脳の損傷、機能低下が科学的に証明されているが、治療できる機関も少なく対策はまだこれからの分野だ」と現状を語った。

 さらに「今は店でソフトを買わなくても好きなゲームを無料でダウンロードでき、好奇心を刺激するよう仕組まれている。何の労力もなく始められ心理的ハードルが低い分、依存の危険度が高い」と警鐘を鳴らし、悩んでいる家族も多いとした。

 家族には、子供と話し合いながらルールづくりを推奨。「押しつけず、実現可能なものにすべきだ。ルールより話し合う過程が重要で、甘くても自分で考え決めることが大事だ」と強調。「ゲームについて具体的に情報収集していければ、本人との会話に弾みとゆとりが持てるようになる。肯定的な言葉を使い、圧迫感を感じる用語は言い換えて。成功と失敗を繰り返し次第に上向いていく傾向で、一喜一憂しないこと」と説いた。

 週末や長期休暇中の決まった日にスマートフォンやゲーム機などを触らない「ノーメディアデー」も提案。最後に「ゲームにはまっているのは表面的な問題で、背景には何かSOSが隠れているかもしれない。子供の世界を知ることも大事だ」と締め、参加者は熱心に聞き入っていた。

 このほか市、市教委の担当者が次期市地域教育力向上推進計画(2021~25年度)の概要、市が目指すコミュニティ・スクールについて説明した。

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