一関・平泉

刀剣、意匠凝らした拵も 市博物館・テーマ展 県内施設収蔵30点紹介【一関】

刀剣と共に雉子や鷹の頭を模した珍しい拵も展示されている一関市博物館のテーマ展

 一関市博物館(菊池勇夫館長)のテーマ展「日本刀と拵(こしらえ)―その用と美―」は16日、同市厳美町の同館で始まった。同館をはじめ県内の博物館が収蔵する重要文化財や重要美術品を含む刀剣、市や県指定の文化財を含む拵など30点の貴重な歴史資料を紹介している。3月14日まで。

 日本刀の魅力と共に、実用に主眼を置いた素朴なものから意匠を凝らした豪華なものまで存在する刀を携行するための拵についても知ってもらおうと、県立博物館や花巻市博物館、盛岡市先人記念館、もりおか歴史文化館の協力を得て企画した。

 展示されているのは鎌倉から室町時代にかけての太刀や脇指、刀、短刀計16点、江戸から昭和時代にかけての拵、剣合わせて13点、南部家が所蔵する刀剣類と鉄砲を書き記す御判帳(ごはんちょう)1点。 

 このうち、県指定文化財「雉子頭雄御太刀(きじがしらおすおんたち)拵」は雄のキジの頭と尾羽を模した江戸時代の特異な拵で、総長128・5センチ。南部家の刀剣類記録簿では筆頭に記載されている。

 入館無料となった初日は、市内外から60人を超える来場者があり、興味深そうに見入る姿が見られた。元々刀剣が好きで博物館を巡っているという宮城県気仙沼市の吉田勝さん(57)は「たいていは刀だけが展示されている場合が多く、拵も一緒に展示されているのは珍しい。手入れが行き届いていて保存状態も良く、凝った作りで興味をそそられる」と話していた。

 同館の小岩弘明主任学芸員は「県内の各博物館を代表する資料をお借りして展示している。刀剣と拵が一緒の展示はなかなか機会がなく、雉子頭や鷹頭(たかがしら)などの凝ったデザインの拵もある。ぜひ足を運んで鑑賞していただきたい」と語っている。

 開館時間は午前9時~午後5時。入館料は一般300円、高校生・大学生200円、中学生以下無料。月曜休館。来月14日には刀の保管の仕方に関する講座も予定している。

 問い合わせは同館=0191(29)3180=へ。

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