一関・平泉

除災招福祈り 古式にのっとり法要 毛越寺二十日夜祭【平泉】

毛越寺常行堂で厳修された二十日夜祭の常行三味供法要

 平泉町の毛越寺(藤里明久貫主)で20日、常行堂二十日夜祭が行われた。新型コロナウイルス感染拡大を鑑み常行講信徒らによる献膳行列や、火の粉を散らしてたいまつをぶつけ合う勇壮な火たきのぼりなど堂外での催事は中止されたが、同寺を開いた慈覚大師伝来の古式にのっとった法要や、国重要無形民俗文化財「延年の舞」の奉納などを通して今年1年の五穀豊穣(ほうじょう)と除災招福を祈願した。

 常行堂に祭る摩多羅神(またらじん)の祭礼が結願(けちがん)する20日に催されることから「二十日夜祭」と称され、午後3時からの献膳式では堂内にしめ縄を巡らし、切り紙細工の飾り花や田楽用の花笠などががつり下げられた中、本尊の宝冠阿弥陀如来に花献膳、奥殿に守護神として祭る摩多羅神に野菜献膳がそれぞれ奉納された。

 4時からは常行講信徒や参拝客が見守る中、藤里貫主をはじめとする一山の僧侶により慈覚大師伝来の古式による常行三昧供(じょうぎょうざんまいく)と後夜作法の法要が営まれた。

 同日は1年で最も寒いとされる二十四節気の「大寒」に当たり、最高気温が一関で0・8度(盛岡地方気象台調べ)までしか上がらないいてつく寒さの中、法要は厳かに進められた。

 法楽となる延年の舞は8時ごろから始まり、うす明かりの中、僧侶や同寺ゆかりの子供たちによる「唐拍子」や「老女」など古式ゆかしい歌舞を奉納。法要に先立つあいさつで藤里貫主は「今年は新型コロナの影響で残念ながら催しの一部を中止としたが、来年は祭りが開けるようになるよう願っている」と語った。

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