一関・平泉

学科試験 全員突破 2級土木施工 管理技士 一関工高土木科 合格率県内トップ

2級土木施工管理技士と測量士補の試験に合格した一関工高土木科の2、3年生

 一関市萩荘の県立一関工業高校(佐々木直美校長、生徒380人)の土木科3年生33人は、国家資格「2級土木施工管理技士」の学科試験で、受験者全員合格を果たした。全員合格は2019年以来で2度目の偉業。さらに同科の2、3年生は同じく国家資格の「測量士補」の試験を24人が突破した。ともに県内の工業高校の中でトップの合格率となり、生徒たちは喜びを爆発させている。

 土木施工管理技士は、土木工事で現場の工程、安全管理など担う技術者。学科試験と実地試験があり、高校生は学科のみ受験できる。今年度の全国合格率は63・9%だった。

 阿部悠さんは「1年生の時、3年生が全員合格をしているのを見て、自分たちもという思いで頑張ってきた」という。過去問題などに取り組み、合格ラインに達しない同級生には教え合うなど一丸となって試験勉強に励んだ。

 阿部さんは「本番は過去問と違う問題もあって困惑したけど、これまでの知識を応用することができた。全員で合格することができてうれしい」と達成感をにじませる。

 測量士補資格所持者は、測量士が作成した計画に従い、測量に従事することができる。試験の合格率は30%前後で、今年度は全国で1万361人が受験し、合格者は3138人。同校では2年生18人、3年生6人が突破した。今年度の全国合格率は30・3%だったのに対し、2年生の合格率は62%と2倍となった。

 3年生の高橋大生さんは「2年で合格できず、クラスから置いていかれていると不安があった」と心境を語る。バスケットボール部との活動を両立しながら放課後などに勉強を重ねてきたといい、「悔しさを晴らすことができた。社会人になってからも資格を取って、会社に必要とされる人材になりたい」とすがすがしい表情を見せた。

 20年は新型コロナウイルス感染拡大による臨時休校、試験延期など生徒たちにとって厳しい状況が続いた。その中で、教諭も自宅学習用プリントの作成、学習時間確保など目標に向けてに心を一つにする教え子たちをサポートした。

 県建設業協会も学科講習会などで生徒たちを支援。中野靖博土木科長(42)は「支えてくれた業界関係者の皆様に感謝するとともに、生徒たちの努力をたたえたい」と喜んでいる。

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