奥州・金ケ崎

コロナ禍に元気発信 奥州市民☆文士劇女ねずみ小僧 感染対策し熱演

キャストの熱演が観衆を魅了した第13回奥州市民☆文士劇「女ねずみ小僧」

 第13回奥州市民☆文士劇「女ねずみ小僧―自粛の嵐をくぐり抜け 闇夜の屋根から御免あそばせ」は30日、同市江刺の江刺体育文化会館ささらホールで始まった。盗賊・女ねずみ小僧の活躍などを描いたエンターテインメント性あふれる時代劇を展開。新型コロナウイルスの感染防止対策など例年とは異なる厳しい状況の中、準備、稽古を重ねてきたキャスト、スタッフ計100人の熱意を結実させた舞台は観衆を魅了した。最終日の31日は午前、午後の2回公演で行われる。

 旗本・土屋大膳の家に生まれた双子の捨てられた妹で、庶民の人気を集める義賊となった女ねずみ小僧のお仙が、遊び人の金さんと意気投合して上方役者のあだ討ちに手を貸し、江戸の巨悪である土屋と米問屋の近江屋に相対する物語を展開。殺陣や舞踊、ダンス、ユーモアあふれるシーンの一方、お仙と金さんの切ない恋模様なども描かれた。

 新型コロナ対策で演者数を例年より絞り込み、2役、3役を担当する人も多い中、各キャストは重ねてきた稽古の成果を示し、生き生きと舞台で躍動。スペシャルバンドによる生演奏も各場面を盛り上げ、上演後には拍手が湧き上がった。

 女ねずみ小僧と双子の姉の2役を演じた佐藤淳子さん(46)=同市水沢=は「裏での早着替えなどは大変だったが、今まで練習してきたことが出し切れた。みんなの力を結集できた」と笑顔。「今までの練習の積み重ねを発揮し、あと2回の公演をやりたい」と最終日への決意を語った。

 文士劇は同ホールと実行委員会などが主催。新型コロナ対策として席の間隔を開けるなど例年の半数以下の1公演当たり264席に限定したほか、キャスト、スタッフの健康管理、来場者に対する検温やマスク着用協力など可能な限りの対応を図って実施にこぎ着けた。高野誠司実行委員長(65)=同市江刺=は「この状況の中、多くのお客さまに来ていただいて感謝している。参加者の節制と努力にも感謝。今回の上演が、地域の元気発信につながることを願っている」と語っていた。

 31日の午前の部は完売。午後の部は3時開演で、チケットは全席指定で当日2000円。

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