一関・平泉

観光客100万人割れ 昨年 51年ぶり、大幅減 平泉町

大型連休初日にもかかわらず、緊急事態宣言に伴う拝観休止で人影が消えた中尊寺境内。4月は前年比で9割近くまで観光客が激減した=2020年4月29日

 平泉町がまとめた2020年の観光客入り込み数によると、1年間に町内を訪れた観光客数は90万2638人で、前年(206万6542人)の43・7%と4割余りにまで落ち込む大幅な減少となった。新型コロナウイルス感染拡大に伴う政府の緊急事態宣言発令と、町の一大イベントとなる春の藤原まつり中止による4、5月の減少が大きく響いた結果で、年間入り込み数が100万人を下回るのは1969年以来51年ぶり。

 同町では、中尊寺や毛越寺の拝観者をはじめ、平泉文化遺産センターや道の駅平泉の入館者、平泉駅前観光案内所など主要観光関連施設の利用者数から観光客の入り込み数を推計。月ごとに見た2020年の入り込み数は1月22万1587人(前年比1・5%減)、2月3万4366人(同3・4%増)、3月4万2737人(同18・9%減)、4月1万2957人(同88・1%減)、5月1万994人(前年比98%減)、6月3万2128人(同69・1%減)、7月3万8967人(同71・7%減)、8月6万4864人(同61・5%減)9月8万8608人(前年比31・2%減)、10月14万7954人(同33・8%減)、11月18万2473人(同31%減)、12月2万5003人(同65・6%減)で、前年を上回ったのは2月のみだった。

 中でも5月は、前年が改元に伴う10連休と春の藤原まつりが重なった影響などで54万6987人もの人出があった反動もあり2%にまで激減。4月も緊急事態宣言に伴う寺院の拝観休止や関連施設の閉鎖などで11・9%にとどまった。

 一方、9~11月については政府の観光支援策「Go To トラベル」や、春から秋に変更された修学旅行客の増加もあり6割台にまで回復したが、12月は新型コロナの感染拡大や大雪の影響で落ち込んだ。

 担当する町観光商工課では「町営駐車場の利用状況などから分析すると、個人や少人数の観光客はある程度訪れたものの、団体客が大きく減少した状況が続いている。今年は世界遺産登録10周年の節目となるが、コロナが収束しない限りは厳しい状況が続くのではないか」としている。

 同町の観光客入り込み数は、中尊寺金色堂が解体修理を終えた1968年に116万4300人と初の100万人台に到達。藤原秀衡公・源義経公・武蔵坊弁慶八百年御遠忌特別大祭が開かれた86年は過去最多の266万3000人、2012年には前年の世界遺産登録効果で264万291人をそれぞれ記録し、昨年までは4年連続で200万人台が続いていた。

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