ワクチン集団接種 県立高体育館も活用 県、医療従事者向け会場【岩手】
県内の医療従事者らを対象にした新型コロナウイルスのワクチン集団接種で県は10日、大規模会場の確保が困難な2次医療圏について、圏域内の県立高校体育館の活用を検討していることを明らかにした。接種時期については3月中旬以降の週末を想定し、調整に入っている。
同日開かれた県市町村連絡会議で県が示した。
県は3月中旬以降、県内の医療従事者ら約4万5000人を対象にワクチンの優先接種に向け、医療機関への超低温冷凍庫(ディープフリーザー)設置など準備を進めている。
県によると、医療従事者のワクチン接種について、平日は医療機関が開院しているため、週末の実施を求める意見が多かったことから3月中旬以降の土日を想定している。
接種会場は接種人数が各医療圏で異なるため、集団接種会場を設けなくても対応できる地域については、ワクチンの保管と接種が可能な「基本型接種施設」、ワクチンを移送し接種可能な「連携型接種施設」の医療機関で調整を進めている。
集団接種の会場確保では既に大規模施設の予約が入っており、スケジュールの調整が難しいことなどから県立高校体育館の活用を検討している。
このほか、県内のワクチン接種対象者の範囲や見込み数も示された。
国が示す優先順位に合わせ、4月1日からの接種を想定している高齢者41万4000人をはじめ、基礎疾患のある人、高齢者施設などの従事者2万5000人、60~64歳以上8万7000人、一般県民の順となる。
会議で県医療政策室の吉田陽悦新型コロナウイルス感染症対策監は「国からワクチンの供給量、供給スケジュールの指示がないので、あくまでも想定で調整している。医療従事者の優先接種に向け、3月中旬までの体制整備に向けた準備を進めたい」と説明した。