北上・西和賀

蝦夷は戦い慣れた集団 市立博物館長が解説 鬼柳町歴史を語る会研修会【北上】

特別展を通じ、杉本館長(右から5人目)の解説を聞く参加者

 北上市の「鬼柳町歴史を語る会」(Zumona、佐藤克英会長)は14日、市立博物館で研修会を開き、参加者は中央政府から「鬼」と言われた蝦夷(えみし)の本質を学んだ。

 同会は2020年11月に発足。地域の歴史を学習し、地名の「鬼」に関する地域づくりを話し合っている。今回は第2回例会として会員、鬼柳地区住民の20人が参加した。

 杉本良館長は、1200年ほど前に北東北一帯で呼ばれた蝦夷について「同じぐらいの集団が独立的に存在していた。トラブルを裁定する存在はなく、小競り合いは日常茶飯事。戦い慣れた集団だった一方、(8世紀後半から9世紀初めに侵攻してきた)中央政府軍は農民を徴兵した素人集団。このため、蝦夷は中央政府軍に対し38年間もの間、戦えた」と説明した。

 同時期のものとされる赤い土師器(はじき)「赤彩球胴甕(せきさいきゅうどうがめ)」が和賀川流域を中心に数多く出土していることに触れ「実用的ではなく祭祀(さいし)用と考えられる。蝦夷は和賀川を防衛ラインとして組織立った戦いをし、赤彩球胴甕はバラバラだった蝦夷をまとめる象徴として使われたのでは」と推定。現在、同館で開催中の特別展も踏まえ「戦いが終わった後に和賀川南側の現在の鬼柳、相去地区に急にムラが現れた。中央政府から鬼と言われた蝦夷は優れた戦術を持ち、南方、北方から文物が入り優れた交易システムをつくっていた」と解説した。

 佐藤会長は「中央は『蝦夷は鬼』と国民に意識付けていたのでは。これからも鬼をテーマに学習し、県内で鬼関係のサミットもしたい」と話していた。

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