花巻

旧まん福来年度解体へ 市場調査で利活用策民間から募る 花巻市

来年度に解体される旧まん福の建物(資料)。花巻市は解体後の土地の有効活用について民間事業者からアイデアを募る

 花巻市は、中心市街地の吹張町にある旧料亭「まん福」の建物解体後の跡地を有効利用するため、民間事業者から意見を聴く市場調査を実施する。市では2019年度、建物の利活用について民間事業者からアイデアを受けるなど活用策を検討してきたが、有効な活用策がなかった。21年度に解体して更地にするため、跡地の有効なアイデアを民間事業者から募る。

 市が実施するのは、民間事業者から利活用の提案やアイデア、民間資金を活用した事業実施の可能性を探るための「サウンディング型市場調査」と呼ばれる手法。19年度は同様の手法で、民間事業者から建物の利活用についてアイデアを募った。参加した1事業者から資料展示施設の中心拠点活用について提案を受けたが、まん福の建物でなければならない必然性が低いこと、市が期待した民間資金による事業ではないなど有効な活用策は得られなかった。以後の検討の結果、まん福の活用を断念して解体することを決めた。

 まん福の敷地内には、1935年に建築された木造の店舗兼住宅と64年に建てられた車庫が現存する。2010年に閉店してから地元住民らの要望を受けた市が13年度、土地3840平方メートルを5800万円で取得。延べ床面積1324平方メートルの建物は所有者から寄付を受けた。建物は利用可能とするため市が約3080万円を掛けて屋根の補修やトイレ洋式化、冷暖房設備設置、内壁改修などを進めた。

 その後、現行の建築基準法に適合した施設として活用するには、耐震工事や消防設備などに多額の費用が掛かるために見合わせた。まん福の便器などは花巻中央広場(吹張町)の公衆トイレに活用されている。

 市場調査は3月1日から事前相談や現地見学会の受け付け、4月5~9日は相談・見学会の開催、同中旬から5月下旬にかけて事業化の提案などの受け付け・実施、5月下旬の審査委員会での審査などを経て、6月上旬に結果を公表するスケジュールで取り組む。市では「中心市街地の中枢にある土地のため、市街地活性化につながる提案を期待したい。土地の市場性や民間資金による利活用の可能性を把握するため、民間事業者から幅広い意見を寄せてもらいたい」としている。

 調査実施により受け入れ可能な提案に対しては、提案者の事業実施を条件に土地の売却も検討していく。

 市は来年度一般会計当初予算案に旧まん福の建物解体や建物周辺の樹木撤去など更地にするための費用約4000万円を盛り込んでいる。

 市場調査のスケジュールなどは市ホームページで公開している。問い合わせは市契約管財課=0198(41)3523=へ。

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