一関・平泉

「陸羽132号」誕生100年 “初代金札米”里帰り 一関の市民団体 稲瀬振興会(奥州・江刺)へ種もみ

樋口副会長(中央)に陸羽132号の種もみを手渡す里山ジャパンのメンバー

 「江刺金札米」の初代といわれ、宮沢賢治ともゆかりの深いコメ「陸羽132号」の種もみの贈呈が2日、一関市藤沢町保呂羽の藤源寺で行われた。陸羽132号を栽培する同市の市民団体里山ジャパンから種もみ2キロが奥州市江刺の稲瀬振興会(小澤雅行会長)に贈られ、1世紀ぶりの“里帰り”を果たす。

 陸羽132号は、冷害に強い「陸羽20号」と良食味の「亀の尾4号」を交配させ、1921(大正10)年に秋田県の農事試験場陸羽支場で育成。冷害に強い品種として宮沢賢治が着目し、東北の農家に栽培を奨励したとされる。系統はその後流通した「コシヒカリ」「ササニシキ」などの主要品種に引き継がれたが、陸羽132号を栽培する農家は現在では非常に少なくなっている。

 里山ジャパンは、5年前から地元農家の協力で陸羽132号を栽培。同寺の「森の寺子屋」を利用する子供らが、田植えや収穫、脱穀作業に参加してきた。

 同振興会は、江刺金札米100周年記念として陸羽132号の栽培を計画し同寺に連絡、種もみの寄贈が決まった。里山ジャパン事務局で同寺の佐藤良規住職は「以前から栽培する仲間を増やしたいと思っていた。宮沢賢治や岩手とゆかりが深いコメなので、子供たちに賢治を知ってもらうきっかけにもなるのではないか」と期待を込める。

 江刺金札米は、大正末期に全国的な知名度を持っていた江刺産のコメを類似品と区別するために、金札を付けて出荷したことが由来とされる。現在は「ひとめぼれ」が主品種だが、100年前には陸羽132号が出荷されていた。同振興会の樋口研一副会長は「春になったら地元の稲瀬小学校の学習田10アールに田植えを行い、子供らに賢治や金札米のルーツを知ってもらいたい」と語り、寄贈に感謝していた。

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