一関・平泉

賢治の心象風景記録 故吉田精美さん撮影写真 親族が124点寄贈 東山・ミュージアム【一関】

石と賢治のミュージアムに寄贈され、館内に展示された吉田精美さんの写真を前にする親族の水本さんと佐藤さん夫妻、元同僚の原子内さん

 宮沢賢治の心象風景などを撮り続けた一関市千厩町出身の元高校教員吉田精美さんが撮影した124点の写真が4日、一関市東山町の石と賢治のミュージアム(菅原淳館長)に寄贈された。吉田さんの死後、親族側が管理していた写真や資料の寄贈先を探していたところ、吉田さんの郷里に近く賢治に関する研究や展示を行う同ミュージアムが引き受けることになった。同ミュージアムは6日から吉田さんの写真展を開く。

▲吉田精美さん

 吉田さんは県立高校の元数学教師で、退職した1989年まで数年間花巻南高校に勤務。生徒に郷土の歴史を教えようと賢治に関する研究を始め、写真部の顧問だったこともあり、イギリス海岸などゆかりの地を撮影するようになった。退職後は賢治の研究に没頭し全国に残る賢治の碑を踏査・記録した「宮澤賢治碑真景」などの著書もある。

 写真や関連資料は2016年の吉田さんの死後、親族側が管理していたが、以前から公的機関に寄贈したいという思いを持っており、吉田さんの教員時代の同僚で同ミュージアム協力研究員の原子内貢さん(79)=奥州市水沢=の仲立ちもあり、同ミュージアムが引き受けることになった。

 124点は「イギリス海岸」「早池峰」「焼け走り残雪」「釜淵の滝」「種山ケ原」など賢治ゆかりの地のほか、「雨ニモマケズ」など詩碑の写真もある。また、宮澤賢治碑真景の出版に当たり、全国の碑の調査のため関係機関に照会した文書など関連資料、吉田さんが撮影した写真の画像データなども寄贈された。

 4日は原子内さんと親族の水本紘一さん(76)=矢巾町=、佐藤孝一さん(69)・順子さん(69)夫妻=奥州市衣川=が同ミュージアムを訪問。6日から始まる展示の会場を眺めた。

 水本さんは「作品をお願いすることができてほっとした。千厩から近いミュージアムであり、本人が天国で一番喜んでいるのではないか」と感謝。原子内さんは「貴重な作品も本人が亡くなると引き取り手がなくなったりするが、ぜひ石と賢治のミュージアムに収蔵してほしかった。吉田さんが引き延ばしたお気に入りの写真なので多くの皆さんに見てほしい」と話す。

 菅原館長は「吉田さんの写真は賢治が見た風景をそのまま切り取った作品。碑の資料では細部まで研究を積み重ねていたことが分かる。時期を見て何度か展示したいので皆さんに吉田さんの思いを感じ取ってもらいたい」と語っている。

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