奥州・金ケ崎

春呼ぶ音響く 日高神社で笛魂祭【奥州】

笛の吹き初め神事で「トットコメェ」を奉納する日高囃子笛の会の小野会長ら

 奥州市水沢の日高神社で5日、笛の吹き初めとして行われている「笛魂祭」が行われた。例年は日高火防祭(ひぶせまつり)の屋台で奏でる音曲を日高囃子(はやし)笛の会(小野良宝会長)が奉納し、前景気を上げていく催し。2020年に続いて祭りでの披露はないが、神事で吹き初めを奉納。小野会長(70)は「祭りでの披露はないが、稽古と精進はしないといけない。吹き初めでは来年こそはの思いを込めた」と語っている。

 笛魂祭は春を呼ぶ神事として旧暦1月22日に行われている。同日は日高神社火防祭保存会、笛の会、日高ばやし太鼓と三味線の会の関係者13人が参列。初めに同神社境内の笛魂碑前で笛魂祭、続いて拝殿で吹き初めを行い、祭り関係者に災いのない1年となることを祈った。

 吹き初め神事では3会の会長が笛を清めた後、小野会長ら笛の会の参列者らが「トットコメェ」を奉納。伝統の音曲が拝殿に響き渡った。

 小野会長は「いつもだと笛魂祭が終わると、火防祭に向けて意気を上げていくのだが、今年は違う。火防祭で発表の場はないが、会としてはいつでも出られるように精進、稽古は続ける」と心境を語った。

 保存会の及川右会長(75)は「2年続けてやらないという中、笛魂祭だけでもできて感無量だ。ワクチンも開発され、来年こそはぜひ普段通りの火防祭にしたい」と話している。

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