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特集:けせんra・shi・ku 神田葡萄園(陸前高田市) 海の幸と一緒にリアスワインを

リアスワイン各種。左から「ポムタカタ2019(りんごワイン)」(1527円)、「キャンベルアーリーロゼドライ2019」(1650円)、「マール ロゼ2019」(1980円)、「キャンベルアーリー2020」(1527円)、「ルージュ2019」(2852円)、「マール2019」(2546円)、「ケルナー2019」(2546円)。ラベルの「N6」は6代目にちなんだデザイン※いずれも750㎖
東日本大震災からもうすぐ10年。
愛され続けるあの飲み物をつくる気仙地方の老舗を訪ねました。

 ご当地サイダーの草分け「マスカットサイダー」で知られる陸前高田市の神田葡萄園。発売50年超のロングセラーサイダーは、変わらぬ味とラベルで地元住民はもちろん観光客にも人気を集める。2015年には同社として約60年ぶりにワイン醸造を再開。最近は農園のあるワイナリーとしても存在感を増している。

 明治中期に初代がブドウ栽培を始めたのが同社の始まり。収穫量が増えたこともありいち早く加工へシフトし、1905(明治38)年に飲料製造会社として創業。創業直後は「恵比寿葡萄酒」の銘柄でワインも造っていた。震災後、「リアスワイン」としてワイン造りを復活させたのは6代目の熊谷晃弘さん。「海産物に合うワイン」をコンセプトに、フルーティーな香りを楽しむ定番の白「ナイヤガラ」、魚介料理にも合う赤「ルージュ」など8〜9種類を手掛ける。「ブドウは海のそばの畑で潮風を受けて育つので、ミネラル感のあるワインになる。その土地のワインには、やっぱりその土地の食べ物が一番合うと思います」。

 入社前に東京のビストロに勤務していた熊谷さん。「店でワインを楽しむ人たちの姿がすごく印象的」だったことから、帰郷後にワイン造りを決意する。しかし、専用品種の苗木を植える準備を進めていた矢先に震災が発生。1〜2年はワインどころではなかったが、被災地向けの制度に後押しされて奮起。完成したワインを手に自ら営業に歩き、ワイン用ブドウの栽培面積も拡大。「いいものを造りたいと思うと終わりがない」と意欲はますます高まっている。

 昨年は本社事務所をリノベーションしてショップをオープン。旧道の駅にあった販売拠点を津波で失って以来、ゆっくり買い物してもらえるスペースは念願だった。ショップを活用して、マルシェやブドウ収穫体験などのイベントも充実させるつもり。「震災は伝え続けなければいけないが、震災があった町ではなく、魅力がある町として来てもらえる場所にしたい」。古里への愛をブドウ畑から発信していく。

DATA

住/陸前高田市米崎町字神田33
電/0192・55・2222
営/ 8時(土日は9時)~17時
休/ 3月まで日曜定休
   4月1日以降は不定休

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