花巻

避難体験 教諭伝える 花巻中で震災学習

花巻中で行われた震災学習「被災地を見つめ学ぶ日」

 花巻市立花巻中学校(太田健校長、生徒518人)の震災学習「被災地を見つめ学ぶ日」が11日、同市若葉町の同校で行われた。1、2年生の教諭が東日本大震災当時のことを振り返り、震災を風化させない思いや防災の心構えを伝えた。

 震災から10年の節目で企画され、初めに吹奏楽部が「花は咲く」の合唱や「故郷」の演奏などを披露。発生時刻の午後2時46分に合わせて全員で黙祷(もくとう)をささげた後、同校教職員の体験談や新聞記事などを教材に使った震災学習が1、2年生の計10クラスで行われた。

 各クラスの担任が震災による犠牲者数や復興の状況、今も多くの人が避難生活を送っていることなどを説明。「当時は別の中学校に勤務していた。地震が発生したのは掃除の時間で、女子生徒を教卓の下に入れた。避難した校庭も地面が揺れていた」「大学入学前だった。車のテレビで津波やがれきの映像を目にし、同じ岩手とは思えなかった」など、教師が自らの体験を回想する授業もあった。

 奥山桜帆さん(2年)は「福島の親戚が避難するなど、自分にとって遠い話ではない。10年たって復興が進んでいる部分もあるけれど、一生消えない傷を抱えている人もいる。今後も避難場所や経路を確認して災害に備えたい」、菅野菜織さん(1年)は「先生方の体験談で震災を身近に感じ、深く考えないことは良くないと思った。伝えること、学び続けることはできる。思いやりのある人になりたい」と話していた。

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