いわてで働くことを伝えるウェブメディアKAERU 09|日清医療食品株式会社北東北支店 求人・採用PR

「治療食」「介護食」と聞いて、皆さんはどんな食事を思い浮かべますか? 超高齢社会を迎え、社会保障費の増大や介護職員不足などの問題が取り沙汰されますが、医療や介護現場の「食」に焦点が当たることはあまり多くないかもしれません。しかしながら、病院や介護施設で過ごす高齢者にとって毎日の食事は重要なもの。健康状態を保つ・改善するのはもちろんのこと、かんだり飲み込んだりする力が弱くなっても安心して食べられることは生きる喜びにつながります。そういった食事を提供しているのが、給食受託会社「日清医療食品」。業務受託という性格上、社名が表に出ることはありませんが、岩手、青森、秋田の3県をエリアとする北東北支店では、約300カ所の病院や福祉施設で食事サービスを提供しています。1日当たりの提供数は実に5万5千食。どのような思いで働いているのか、岩手県南エリアの方たちに話を聞きました。

「栄養士を目指すようになったきっかけは母の病気でした。治療食に興味があったので、やりたいことができるかなと思いました」と話す佐々木直美さん。修紅短大で栄養学を学び、現場の経験を積んで管理栄養士資格を取得しました。入社以来、一関市の介護老人保健施設さいきに勤務し、今はチーフを任されています。提供する食事は朝夕が80~85食ほど。通所者がいる昼は100食ほどになります。佐々木さんは施設のスタッフと一緒に一人ひとりに合わせたメニューを考え、調理の指導も行っています。
訪問した日はデイサービスの新年会があり、昼食に天ぷら、ちらしずしをメインにした弁当が用意されていました。小野寺利浩施設長は「厨房で働く皆さんが利用者さんのことを考え、一生懸命やってくれるので助かっている」と信頼を寄せます。
チーフとして5年目の佐々木さん。「職場の皆さんに支えられている」と感謝し、「これからも一食一食を大切に、おいしい食事を作っていきたい」と話します。

奥州市の特別養護老人ホームで働く久保田由佳さんは水沢農業高校を卒業後、調理員として入社し、調理師資格を取得しました。「利用者さんがトレーに『おいしかったよ』とメッセージを置いてくれることがあるんです。そういうときは休憩室に貼ってみんなで見ています」とほほ笑む久保田さん。利用者が喜んでくれるのが何よりうれしく、やりがいを感じるそうです。
また、久保田さんは現在育休中で、2児の母でもあります。子供を育てながら働くことについて、「大変ではありますが、職場の人がサポートしてくれるので助かっています。子供が熱を出して休んだときも『もう1日休んだら?』と気遣ってもらい、女性が働きやすいと思います」と話します。
女性社員が8割を占める中で、働く人たちを大切にするのが日清医療食品のスタンス。社員登用やキャリアアップの仕組みとともに、子育て中の人をサポートする職場環境があります。

岩手県内では約110カ所、県南エリアに限ると約50カ所の業務を受託しています。
事業所のチーフを指導・育成する立場にあるのが、栄養士インストラクターの佐々木明花さん。主に花巻市内を担当しています。献立作成をはじめ、衛生面や食材費のコントロール、スタッフの管理など業務が多岐にわたるチーフの相談に乗りながらサポートしており、「若い栄養士にできるだけ楽しく、気持ちよく仕事をしてもらえる環境をつくりたい」と意欲を語ります。
調理師インストラクターの高橋久さんはホテル業界から転職し、入社16年になるベテラン。新規事業所の立ち上げ支援を担い、人員配置や作業工程などをゼロから構築しています。施設のイベントを手伝うことも多く、先日は花巻市の「シリウスケアセンターすわ」に出向き、すしを握りました。
食事サービスを提供する上で心に留めているのは、「高齢の方にはこれが最後の食事になるかもしれない」ということ。特別養護老人ホームで働き始めた頃、昨日まで元気だった入所者が亡くなり衝撃を受けた経験が真摯に向き合う姿勢につながっています。

「医療や福祉における食は命に関わることです。スタッフは年間1日も休まず、災害時も欠かさず食事を提供する使命があります。だからこそ仕事の悩みを共有でき、互いに高め合える仲間がたくさんいるのはいいことだと思います」。そう話すのは、北東北支店キャリア開発課の濱谷朋子さん。管理栄養士として長年の現場経験があり、現在は採用を担当しています。
スタッフ間の連携に役立っているのが、エリアごとに月1回行われるチーフ会議。新人研修も充実しており、栄養士、調理師の各コースでスキル向上を後押ししています。
北東北支店では現在、食事サービスの現場で一緒に働く仲間を募っています。岩手県南エリアを含め、働く場所は豊富にあり、県内の高校や特別支援学校などで説明会を進めているほか、U・Iターン希望者の受け皿にもなりたいと考えています。
「チームいわて」としてスタッフの力を結集し、医療・福祉の現場で一人ひとりの健康を食から支えている皆さん。「おいしかった」の一言を喜びに、きょうも温かい食事が提供されています。

KAERUは、岩手日日新聞社と一般社団法人いわて圏が共同で行う求人企画。岩手の仕事や暮らしの価値を見直し、自分の働き方をポジティブに変えていこうとする方に向けたメッセージの発信を目指しています。県外にいる岩手出身の方が地元に「帰る」ため、県内にお住まいの方が自分自身を「変える」ための情報としてお役立ていただければ幸いです。