北上・西和賀

雪山遭難者の救助学ぶ 認識共有し実践訓練 北上地区

アバランチトランシーバーを使って雪崩の埋没者を捜索する参加者

 雪山での遭難事案を想定した北上地区山岳遭難救助訓練は20日、北上市和賀町のふるさと体験館「北上」で行われた。近隣の山岳会や警察、消防関係者が、緊急時に必要な知識や道具の操作方法を学び、レスキューの認識を共有し合った。

 北上地区山岳遭難防止対策委員会(会長・佐藤安美和賀町山岳会長)が主催。北上、和賀町、西和賀の3山岳会、北上署、北上地区消防組合から約20人が参加した。同対策委の救助隊長を務める北上山岳会の土井祐之会長からの指導で、雪崩による遭難者の発見から救助までの対応を学んだ。

 机上訓練では、盛岡友愛病院の中島隆之医師(国際山岳医)がコロナ禍における山岳活動についてアドバイス。登山前の体調管理や登山中の感染防止対策、マスク着用はもちろん、アルコール消毒、体温計(接触型)の使用を推奨した。

 屋外に出た参加者は、電波を発信・受信して雪崩の埋没者を探すアバランチトランシーバーを使って雪上での捜索活動を実践。飛行機が滑走路に着陸する課程に例えた「エアポートアプローチ」で対象の絞り込みを行った。その後、プローブを雪に刺し、周辺を数人でローテーションしながらシャベルで掘り進める流れを確認した。

 雪崩発生時について土井会長は「どうしても慌てて頭が真っ白になるが、救助の手順やキーポイントを覚えておくことが大事で、仲間同士でも共有してほしい」と強調。北上署地域課の藤尾敏彦課長は「まだまだ山は冬。雪崩の恐れもあるのであらゆるケースを想定し、山岳会や消防と意思疎通しておくことは非常に有効なこと」と話していた。

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