花巻

震災被災者へ思い寄せ 「勿忘の電話」建設 ボラ団体・イギリス海岸お休み処に【花巻】

「勿忘の電話」を囲むお休み処の運営ボランティアら

 花巻市上小舟渡の北上川河畔を見渡すイギリス海岸お休み処(どころ)「くるみの森」の庭に、電話ボックス「勿忘(わすれな)の電話」が建てられた。関係者は宮沢賢治が命名したイギリス海岸を見ながら世界平和を願い、東日本大震災の被災者に思いを寄せる心の電話として、人々の心のよりどころとなることを願っている。

 妙円寺元住職で、市民有志で組織するボランティア団体「イギリス海岸『くるみの森』の仲間たち」の林正文代表(85)が建てた。震災津波で全壊となった本稱寺(陸前高田市)の住職が被災者に語った「忘れないでください」といった声に呼応し、全国各地の寺で3月11日午後2時46分に鐘をつく「勿忘の鐘」にちなんで命名した。

 大槌町に実在する電話ボックス「風の電話」がモチーフで、高さ22・2メートル、幅0・9メートル、奥行き1・2メートル。希望を感じさせる黄色の外観で、室内には「山の駅昭和の学校」(同市下シ沢)から譲り受けたハンドル式黒電話を置いた。

 設置に合わせ、庭には全国最高賞に輝いた吉池貞蔵さん(同市石鳥谷町)開発のバラの新品種「雨ニモマケズリバーシブルピンク」も定植。世界の恵まれない子供たちのために、ユニセフ募金への協力も呼び掛ける。

 震災発生から10年1カ月の月命日となった11日にはボランティアが集まり、完成した電話ボックスを内覧した。林代表は、「賢治が『世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない』と言ったように、世界平和を語り、震災被災者の思いに寄り添い忘れずに共に生きる、心の電話をかける場所になれば」と話す。

 お休み処は今月29日~10月17日の初日と毎週金、土、日曜日に開所。開所時間は午前10時~午後3時。

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