一関・平泉

化粧品 共同開発 東里工業(東山)/マーナーコスメチックス(藤沢) 化粧水と保湿クリーム 大東産クロモジ精油活用【一関】

香木クロモジを活用した化粧品を開発した髙橋代表取締役(右)と小山所長
化粧水と保湿クリームが製造されている、マーナーコスメチックスくりこま高原藤沢事業所

 一関市東山町で板金設計などを手掛ける東里工業(髙橋政智代表取締役)は、アロマオイルや茶などに利用される香木クロモジを使った化粧水と保湿クリームを、化粧品製造などを手掛ける同市藤沢町黄海のマーナーコスメチックスくりこま高原藤沢事業所(小山茂所長)と共同開発した。製品は22日から東里工業の専用ホームページで販売する予定で、髙橋代表取締役は「仕上がりには大変満足しており、試作品も非常に高い評価を頂いている。ぜひ多くの人に注文してもらいたい」と呼び掛けている。

 クロモジは北海道南端から九州まで広い範囲に自生する落葉樹で、昔から爪ようじなどに活用されてきた。近年の研究ではクロモジから抽出した精油に生活習慣病予防やリラックス効果があるとされている。

 東里工業では2018年に衝撃波を利用して漆の抽出を行う機器を製作した際に別の活用法も模索。調査の中でクロモジがアロマオイルなどにも使われていることを知り、同市大東町内で採取した葉などを20年春に精油した。同年7月に同事業所とつながりができたことで、化粧品に使用することが決まった。

 生産は東里工業が同市大東町内で採取したクロモジを精油して提供し、同事務所が製品化する。

 東里工業では、同年3月ごろから6次産業化につなげようと同市大東町興田地内で試験的にクロモジの栽培事業をスタート。現在は地元住民が約400本の木を栽培しており、今年8月中頃からは本格的な葉の収穫と出荷なども行われる予定。

 クロモジの学名「Lindera umbellata」と企業名などを掛け合わせてブランド名を「LiNEST(リネスト)」と名付けた。今秋から冬にかけて新たに販売する商品としてクレンジングクリームや洗顔フォーム、美容液の開発も進めている。

 クロモジを使った化粧品は業界でも珍しいといい、小山所長は「とても面白い試みで、業界としてもオンリーワンの商品を求めていた。他にはないような独特の香りも魅力の一つ。男女や年齢を問わず多くの人に使ってもらいたい」と太鼓判を押す。

 髙橋代表取締役は「新事業を6次産業化し、いずれは地域活性化にもつなげていきたい」と展望を語る。

 価格は化粧水が、120ミリリットル3080円(税込み)。保湿クリームが30グラム3300円(税込み)。送料は別途。

 問い合わせは東里工業=0191(47)2435=で、商品の注文は=https://linest.theshop.jp/=へ。

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