花巻

買い物交流拠点に スーパーおっほ開店 無店舗地域解消 東和・小山田【花巻】

地域住民らが買い物を楽しんだ小山田スーパーおっほ店内
開店を祝いテープカットする吉田会長(中央)ら

 花巻市東和町の小山田ふるさと地域協議会(吉田正志会長)は3日、同町前田に「小山田スーパーおっほ」を開店した。今後、地域に暮らす高齢者らの買い物支援や交流拠点の役割を担っていく。

 小山田地区に唯一あったスーパーのAコープ小山田店が2020年9月に閉店し、車を持たない世帯や1人暮らしの高齢者らから「買い物に不便を感じている」という声が上がった。

 実態を把握するため地域の有志によるワーキンググループを立ち上げ、昨年末に地域の全435世帯にアンケートを実施。「困っている」「お店がほしい」という回答が6割を超えたことから新店舗設置の機運が高まり、十数回の打ち合わせを重ねて4月3日に運営主体である同協議会を11人の構成員で設立した。

 店舗は、JAいわて花巻の旧小山田支店を借り受け、国の中山間地域等直接支払交付金や拠出金などを施設整備、商品仕入れに充てた。店内には菓子類や飲み物、調味料、洗剤、カップ麺、マスク、トイレットペーパーなど食料品、日用品が並べられている。

 店名の「おっほ」は、地域にも身近なフクロウの愛称。フクロウのように地域の人々の暮らしを見守り、末永く親しまれる店にしたいという思いを込めた。

 店舗前で行われた開店セレモニーには関係者や来賓、地域住民らが参列。吉田会長は「協議会の目的は地域の人材と資源を生かし、地域を活性化すること。その第一歩が『おっほ』の開店。狭い店内だが、ポイントは物品販売ではなく交流のスペースだと思っている。みんなが笑顔で集える店づくりに努力していく」とあいさつ。

 上田東一市長は祝辞で「知恵の鳥フクロウにちなんだ店名だが、まさに地域の皆さんが知恵を出し合って開店したことに感銘を受けた」と語った。

 吉田会長らによるテープカットの後、開店が告げられ、オープンを待っていた地域住民らが次々と店内に入って買い物をしたり、知り合いと会話を楽しんだりする姿が見られた。

 地元の70代女性は「お菓子や卵などを買った。スーパーがなくて大変だったが便利になった。これから品数も増やしていくようなので楽しみ」と話していた。

 短期間で開店にこぎ着けた吉田会長は「忙しかったが、多くの方の協力でオープンできた。今後は産直コーナーやサロン的なスペースも作っていきたい」と意欲を見せている。

 営業時間は午前9時30分から午後5時まで。日曜日と年末年始は定休。

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