花巻

あでやか美の競演 肉筆浮世絵展示 花巻市博物館

あでやかな美人画など111点が並ぶ特別展「美を競う 肉筆浮世絵の世界」

 花巻市博物館(髙橋信雄館長)の特別展「美を競う 肉筆浮世絵の世界」は、同市高松の同館で開かれている。江戸時代初期ごろから明治時代に活躍した多彩な浮世絵師が、直筆で和紙や絹に描いたあでやかな美人画を中心に111点が展示され、来館者はそれぞれの絵師の巧みな画力を堪能している。6月6日まで。

 肉筆浮世絵は、多色刷り木版画の錦絵とは違い、直筆ならではの繊細で滑らかな筆致で描かれる。

 今展は▽肉筆浮世絵の展開▽百花繚乱(りょうらん)・多彩な作品群▽上方(かみがた)と地方で描かれた肉筆浮世絵の展開―の3部構成で、光(ひかる)ミュージアム(岐阜県)が所蔵する肉筆浮世絵のコレクションから厳選した、葛飾北斎、歌川広重、宮川長春、月岡芳年ら人気絵師による作品を並べている。

 会場では、遊女の立ち姿を描いた肉筆画が多く展示されているほか、三味線を弾く姿、手紙を読む姿などもある。このうち古山師政の「立ち美人」は、竹林や鶴の紋があしらわれた水色地の和装に身を包んだ遊女が振り返る姿が描かれており、色香が漂う。宮川長春の「立ち美人」は、花模様の赤地の和装を身にまとった女性が表現され、上品な雰囲気を醸し出している。

 同館の小原伸博学芸係長は「浮世絵師の流派ごとに女性の顔の描かれ方も違う。絵師の力だけで表現された唯一無二の作品の数々をぜひ見てもらいたい」と話している。

 開館時間は午前8時30分~午後4時30分。入館料は一般600円、高校・学生400円、小中学生200円。問い合わせは同館=0198(32)1030=へ。

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