延年の舞で終幕 春の藤原まつり 平泉・毛越寺
平泉町の春の藤原まつり(平泉観光協会主催)は最終日の5日、毛越寺で国重要無形民俗文化財「延年の舞」が上演された。訪れた参拝客らがいにしえの舞をじっくりと鑑賞し、5日間繰り広げられた同まつりを締めくくった。
延年の舞は、平安時代の優雅な雰囲気と古い形式を伝える歌舞で、同日は同寺本堂脇の舞台で一山の僧侶とゆかりの子供たちによる「若女禰宜(ねぎ)」「路舞(唐拍子)」「老女」の3番が上演された。このうち「老女」は、白髪のかつらに老女面を着けた老女が、100歳まで生きた長寿に感謝し、腰を折って扇と鈴を手にかくしゃくと舞う様子が参拝客らを魅了した。
同まつりは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、規模を縮小して開催。法要が中心の行事となったが、延年の舞が唯一の観光客向けに公開された。
盛岡市から一関市厳美町に移住したばかりという建築士の上田吹黄さんは夫と訪れ、「30年ぶりに延年の舞を鑑賞した。前は(1月20日の)二十日夜祭で見たのを思い出した。独特の雰囲気で心が安らぎました」と話していた。