北上・西和賀

戦争の歴史次代へ 都鳥兄弟制作映画 8月21日公開【北上】

試写会であいさつする都鳥拓也さん(右)
▲ドキュメンタリー映画「戦争の足跡を追って 北上・和賀の十五年戦争」のPRチラシ

 北上市在住の双子の兄弟で映画プロデューサー都鳥拓也さん(38)、伸也さん(38)の最新作「戦争の足跡を追って 北上・和賀の十五年戦争」が完成した。2人の祖父の戦争体験や、市内の戦争遺産などに基づいたドキュメンタリー映画で、8月21日に同市さくら通りの市文化交流センターさくらホールで初公開される。

 都鳥さん兄弟は沖縄の基地問題などを扱った「OKINAWA1965」「私たちが生まれた島」などで好評を博しており、今作も拓也さんが撮影や編集、伸也さんが監督を務め、戦時中を知る人へのインタビューなどを通し戦争に迫った。

 祖父源司さん(93)の体験の聞き取りをはじめ、国産軽銀岩手工場や岩手陸軍飛行場(通称・後藤野飛行場)、農民兵士から教育者の高橋峯次郎さん(1883~1967年)に届けられた7000通以上の軍事郵便などを丹念に取材した。北上の戦争との関わりや、戦争がもたらしたものを記録するとともに「今、自分たちにできること」は何かを問い掛ける。上映時間106分。

 今月10日には、さくらホールで映画出演者や協力者ら約50人が入場して試写会が開かれた。拓也さんは、「戦争と言えば原爆投下や東京大空襲、沖縄戦ばかりがイメージされ、日本全国を巻き込んだ出来事だという意識が薄れている。自分たちの足元にあったということを改めて認識し、今後の学びに変えてもらいたい。この映画が、戦争はなぜ起きて、このような結果を迎えてしまったのかを一人ひとり考えていける素材になれば」と作品に込めた思いを語った。

 8月の上映会は午前10時30分、午後2時、6時に開演。前売りは1000円(当日1200円)、小中学生は前売り、当日共通で500円。問い合わせは映像制作会社ロングラン=0197(67)0714=へ。

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