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三陸のグルメガイド本 漫画「ラーメン旅情編」 岩手、青森5商議所 震災10年誘客へ

沿岸5商工会議所でつくる実行委が作製したグルメガイドブック「マンガグルメ三陸街道 ラーメン旅情編」

 三陸沿岸にある久慈、宮古、釜石、大船渡、八戸の岩手、青森両県の5商工会議所は、各地の人気ラーメン店を漫画を通じて紹介するグルメガイドブック「マンガグルメ三陸街道 ラーメン旅情編」を作製した。東日本大震災の発生から10年が経過し、三陸沿岸道(復興道路)の全線開通を控えて、誘客につなげたい考えだ。

 復興道路の多くの区間が開通し、間もなく八戸市から仙台市までが一本で結ばれるのを機に、三陸道の利用拡大と地域の飲食店への誘客を目的として、5商議所でつくる三陸グルメマンガプロジェクト実行委員会が共同で企画、作製した。

 幅広い年代層に愛されるラーメンをテーマに、5市にある80店舗以上を掲載。千葉県在住の漫画家なかはら・ももたさんが実際に各地域の人気店15店を取材、試食し、オリジナル漫画で紹介している。店の雰囲気やラーメンの特徴をはじめ、食べ歩いた様子や店主の思いなどを優しいタッチで描かれたマンガとともに表現した。

 宮古市の「多良福」では中華そばを取り上げ、「お茶漬けのように胃にスッと入る。毎日食べられるな~」「変わらなくいてくれる味って人生にあるとうれしいよね」などと描いた。大船渡市の「黒船」では「秋刀魚(さんま)だしラーメン」をピックアップ。店主の誕生日が3月11日ということを取り上げ、震災を経験している店主の「運命的なものを感じるんですよね」などという言葉を掲載している。

 B5判、95ページ。実行委は1万3000部を作製し、各商議所をはじめ沿岸部の道の駅や観光施設などで無料配布している。各方面に配置し、残部は少なくなっているという。

 事務局を務める久慈商工会議所の角野雄祐主事は「新型コロナウイルス感染拡大の影響で飲食業界では苦境が続いている。三陸道を利用して沿岸部に足を運び、ラーメン店をはじめ、三陸を応援してほしい」と話している。

 八戸市と仙台市とを結ぶ復興道路の三陸道(全長359キロ)の未開通期間は県内の31キロで、年内の全線開通を目指している。

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