一関・平泉

産地再生へ意欲 乾しいたけ10年ぶり品評会 市内から4銘柄42点【一関】

10年ぶりに開催された一関市乾しいたけ品評会。26日には出品物の審査会が行われた

 東日本大震災以降途絶えていた一関市乾しいたけ品評会の審査会は26日、同市大東町摺沢の東磐木材流通センターで開かれた。10年ぶりに開催された今回は、市内の生産者から4銘柄計42点の出品があり、銘柄ごとに審査結果が決まった。出品物の展示や乾シイタケの販売会は、28日に同市末広町のJAファーマーズいわて平泉で行われる。

 「天白どんこ」を除き、32人から「どんこ」「茶花どんこ」「こうこ」「こうしん」の4銘柄が出品された。

 審査は、県南広域振興局農政部一関農林振興センターの鈴木暁之所長を審査委員長に、一関地方森林組合やJAいわて平泉などが選定した5人が担当。大きさや色合い、形状などから優等賞と1~3等賞を選出した。実行委では今後、6月に開かれる県の品評会に向け、結果を参考に出品する品を選ぶ方針だ。

 10年ぶりに品評会が開催できたことから、生産者の思いもひとしお。大東椎茸推進協議会会長で、今回2銘柄に出品した岩渕謙一さん(72)は「もう品評会を開けないと思っていたので、震災10年のタイミングでできたことはうれしい。これを励みにまた頑張っていきたい。次回は5銘柄全てに出品があることを願っている」と話していた。

 鈴木所長は「生産者の意欲を高め、栽培技術を競う品評会が再開されることを意義深く思う。県としても皆さんと一緒に産地再生に向けて取り組んでいきたい」と語っていた。

 一関市内では東京電力福島第1原発事故で、放射性物質の影響が広範囲に及び、現在も地元の原木をシイタケ栽培に使用することができない状況にある。2010年に357人いた生産者のうち、現在生産を再開しているのは47人にとどまるなどいまだ苦境に立たされている。

 審査結果は次の通り。(敬称略)

 【茶花どんこ】▽優等賞=岩渕豊子(一関市大東町曽慶)▽1等賞=佐々木和典(同町中川)▽2等賞=佐々木万里子(同)佐藤年巳(同市弥栄字中山)▽3等賞=佐藤佐利(同町中川)菅原弘一(同町曽慶)岩渕祐一(同市弥栄字蕎麦沢)

 【どんこ】▽優等賞=鈴木健治(一関市大東町大原)▽1等賞=菊池俊秋(同)▽2等賞=佐藤時子(同町摺沢)佐藤新治(同)▽3等賞=青柳博昭(同)石川秀喜(同市萩荘字外山)小岩良雄(同市弥栄字小間木)

 【こうしん】▽優等賞=小原幹夫(一関市大東町摺沢)▽1等賞=菅原隆儀(同市室根町津谷川)▽2等賞=佐藤征紀(同市大東町沖田)岩渕豊子(同町曽慶)▽3等賞=西城たみ子(同市室根町折壁)青柳博昭(同市大東町摺沢)岩渕貴史(同町曽慶)

 【こうこ】▽1等賞=青柳博昭(一関市大東町摺沢)▽2等賞=佐藤義房(同)青柳妙子(同)

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