賢治設計の花壇再現 地域住民ら植花祭 「下の畑」保存会【花巻】
花巻市の宮沢賢治「下の畑」保存会(菅野將勝会長、会員12人)による植花祭は29日、同市桜町の賢治自耕の地「下ノ畑」で開かれた。会員と地域住民が交流を深めながら、宮沢賢治ゆかりの地に花苗を植えた。
「下ノ畑」は賢治が教師辞職後に開墾し、トマトやハクサイ、アスパラガスなどを栽培した。植花祭は2007年から始まり、賢治が瞳の形に設計した花壇「涙ぐむ眼」を10分の1の規模で再現する。
同日は会員をはじめ地元の子供会、老人クラブなどから約40人が参加。マリーゴールド約300株、サルビア50株を植栽した。参加者は事前に掘られた穴に花苗を植え、会員らの指導を受けながら優しく土をかぶせていた。
五枚橋永遥さん(南城小学校2年)は「参加するのは初めて。土をかぶせるのが楽しかった。大きく育ってほしい」と願っていた。
植栽された花は今後、会員が管理する。同保存会によると、7月ごろに見頃を迎えるという。
菅野会長(82)は「植花祭は、地域の人たちが交流する機会でもある。子供たちには今回の作業を通じ、宮沢賢治にもっと親しみを持ってほしい」と話していた。