奥州・金ケ崎

新小谷木橋が開通 安全・安心な道路網構築【奥州】

新小谷木橋の通り初めを行う関係者の車両

 奥州市水沢の東部と西部を結ぶ国道397号新小谷木橋が31日、開通した。開通式典は同日現地で行われ、地元関係者や事業関係者、工事関係者が出席。関係者は長年にわたる架け替えまでの経緯を振り返りながら念願の完成を祝った。同橋の開通によって道路網の多重性や物流の効率化、観光振興などの効果が期待されている。

 北上川に架かる小谷木橋(1954年完成)が老朽化や度重なる災害による損傷を受け、同国道を管理する県が新たな橋を上流に架けるなど同国道小谷木橋工区の事業に2012年度着手。調査、用地補償を経て15年度に工事着手し、今後は小谷木橋の解体、橋詰広場整備などが行われる。総事業費は約130億円。

 式典には、佐々木隆県南広域振興局長ら国、県の関係者、小沢昌記市長、県議、市議、地元団体代表、施工関係者ら36人が出席。初めに佐々木局長が「産業、経済、観光にとって重要な路線で、安全・安心な道路網が構築されて内陸と沿岸の交流が図られる」と期待を込めてあいさつ。小沢市長と郷右近浩県議が祝辞を述べた。

 また、地元関係者を代表して羽田地区新橋架橋期成同盟会の佐藤建樹会長が同盟会設立(06年)後の新橋実現に向けた活動を振り返り、「感激、感動、感謝が湧いてくる。一日千秋の思いで工事を見守ってきた。要の橋となって大発展の礎となることに期待している」と語った。

 式典の最後に佐々木局長、小沢市長、県議がテープカット、岩手河川国道事務所の平井康幸所長、花巻労働基準監督署の平松正俊署長、小野寺隆夫市議会議長、常盤、羽田両地区振興会長らがくす玉開披。式典終了後には、関係者が車列を連ねて通り初めを行った。

 開通式典を橋のたもとで見守った中林奈々江さん=同市水沢佐倉河=は、橋名板「新小谷木橋」を揮毫(きごう)した花菜香さん(13)の母。「気持ちを込めて何十枚も書いていた姿を見ていた。橋名板が取り付けられた後はうれしくて何度も見に来ていた。娘もこの橋を通るたびに誇らしく思うだろう」と喜びを語っていた。

 同日は午後3時に一般車両が通行開始。それに伴い小谷木橋は通行止めとなった。

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