高い技術にブレンダー賞 炊飯・米飯商品米国際コンテスト 飯豊・八重樫さん 3品種総合評価特A4年連続【北上】
アイホー炊飯総合研究所(愛知県豊川市)の炊飯・米飯商品米国際コンテストで、北上市飯豊の兼業農家でNPO法人東北どまんなか理事長の八重樫哲哉さん(61)の2020年産ブレンド米(ひとめぼれ、てんたかく)が、高度な技術が求められる「お米のブレンダー賞」を本県で初めて受賞した。銀河のしずく、ミルキークイーンも合わせた3品種が総合評価で特Aとなった。特Aは17年から4年連続となる。八重樫さんは喜びと手応えとともに、さらなる良質米生産へ意欲を新たにしている。
同コンテストは17年に始まり、全国トップクラスの米農家や生産者団体、物流商社、米卸業者ら94点が出品。玄米、白米の試験米が3回検査された。
八重樫さんが出品したブレンド米は、粒のそろい具合を示す玄米の整粒率、白米の完全粒率、タンパク、アミロースが、最高の出来を示す「オーバー」、千粒の重さを示す千粒重も「最良の上」の評価。ひとめぼれ、てんたかくの良質米を混ぜ合わせ、外側が硬く内部を軟らかく仕上げ「千粒が重く、粒ぞろいが整っている最高のブレンド技術」とされた。
ブレンダー賞は19年に創設され今回、全国的にも高い技術を持つ24人が受賞。八重樫さんは「米の嗜好(しこう)が変わる中、単一品種もいいが、コーヒーと同じようにブレンドした米を皆さんにおいしく味わってほしい思いがあった。特に欲しかった賞だけに、大変うれしい」と喜ぶ。家族と共にさまざまな配合比率を試し、水加減も調整するなど試行錯誤しただけに「家族一体となって取ることができた」と感謝する。
全体的な品質ランクを示す完全粒率と千粒重の平均値はブレンド米98・5%、銀河のしずく98・3%、ミルキークイーン96・5%。いずれも特A基準となる96%を上回った。いずれも粒が大きく、食感の良さも評価されたとみられる。
ブレンド米と銀河のしずくは炊きやすい上、炊飯機器との相性もよく炊飯機器・親和賞を受賞。ブレンド米が「丼物大賞」の特別賞、銀河のしずくが同大賞の特Aランク賞に輝くなど、丼もの米としても評価を受けた。
数々の賞を受け、八重樫さんは「身の引き締まる思い。今後一層、精進しなければならない。北上から日本一の米を作りたい」と決意を示す。個人経営する住宅設備機器卸会社、NPO理事長の傍ら、今年も3ヘクタールの圃場(ほじょう)で、有機肥料と減農薬の農法で新たにイセヒカリを含めた4品種の作付けにいそしむ。