北上・西和賀

全米魅了 チア3位 司東さん(稲瀬町出身)2年連続選出 大学トップアスリート【北上】

オールアメリカンチアダンス部門で2年連続選出され、ジャンプで喜びを表現する司東さん=北上市稲瀬町の実家敷地内で

 北上市稲瀬町出身で米国ミズーリ州・ミズーリバレー大学4年の司東実優さん(22)は、全米大学体育協会(NAIA)の2021年トップアスリートを決める「オールアメリカン」チアダンス部門で2年連続、日本人で唯一選ばれた。前回は85人の選出だったが、今年はわずか10人の狭き門に入り、全体3位の快挙。新型コロナウイルス感染拡大の最中、2年連続選出への重圧やけが、学業との両立など困難を乗り越え、自らに課した目標を成し遂げた。

 今年のオールアメリカンは2月下旬に全米の各地区でトライアウトを行い、動画で審査。1分間でジャズダンス、ポンポン、ヒップホップが入ったチアダンス、3回転ターン、三つの高レベルジャンプを演じた。司東さんは得意とする跳力十分のジャンプ、空中でも姿勢を保てる柔軟性、全体的にきびきびしたキレのある動きが評価されたとみられる。

 オールアメリカンが85人から10人に絞られたことは後から知り、「その中に入れたのは飛び跳ねるほどうれしかった。全体の3位と聞き『うそでしょ』と思い、さらにびっくりした」と素直に喜びを語る。

 ただ、今年も多くの困難があった。昨年、オールアメリカンに選ばれたことで「2年連続で取らねば」と自身にプレッシャーをかけ続け、練習のし過ぎで足や腰、膝、股関節を痛めてしまった。

 大学では心理学を専攻し、4年生で難しい授業が多くなり毎日、徹夜するような状況。「学業との両立が昨年以上に大変だった」ものの、その中で「オールA」の成績を上げた。

 けがを克服し、チームの全体練習を終えてからトライアウトに向けて個人練習に没頭。「ビデオにどうきれいに映るかを意識し、磨いてきた。コロナのため練習中もずっとマスクをつけ、息苦しくて大変だった」という。本番ではそうした労苦が実を結び、自身で掲げた目標を達成。プレッシャーからも解放され満足感、達成感に浸った。

 司東さんは5月中旬に帰郷。8月初旬まで故郷で英気を養う。12月に卒業を控え、大学院進学に向け準備していく。大学院でも産業心理学を専攻し、将来は産業心理学者の道を歩むつもりだ。「どういう形になるか分からないがずっとダンスを続けて、学者として一人前になったら世界のどこかで自分のスタジオを持ちたい。北上でもダンスのワークショップができれば」と将来像を描く。

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