一関・平泉

「?」楽しむアート空間 5日から3年ぶり個展 千厩の現代作家 加藤鉄平さん【一関】

5日から個展「Bring me flowers」を開く加藤さん

 一関市千厩町を拠点に活動する現代アート作家・加藤鉄平さん(33)の個展「Bring me flowers」は、5日から同町千厩字鳥羽の小野寺家宅地で開かれる。広い敷地を活用した同様の展示は3年ぶり。「人の心を豊かにしたい」と生み出されたポップで、どこかシュールな作品の数々が13日まで公開され、最終日には仲間による野外舞踏ライブも予定されている。

 加藤さんは同町出身で、県立一関一高卒。中央大法学部卒業後、大阪府内の商社で勤務していたが、1年ほどたった頃に脳腫瘍が見つかり、仙台市の病院に入院した。療養生活を経て復帰後、2013年に退社し帰郷。そこから独学で創作活動を始め、3年後に同地で初の個展を開いた。

 個展は18年まで毎年さまざまなテーマで開催したが、自然農法による畑作りに没頭したため2年間中断。3年ぶり4回目となる今展には、昨冬から今年3月までに制作した絵画を中心とする作品200点以上を出展する。

 会場となるのは、加藤さんの伯父・小野寺喜久雄さん宅。木小屋や納屋、土蔵、牧草地など敷地全体を活用し、大きなアート空間をつくり出す。

 絵画はアクリル絵の具を用いた鮮やかな配色と独特のパターンが特徴で、花や野菜、UFOなどをモチーフにしたシリーズものが多数並ぶ予定。「人によって違った想像ができる」(加藤さん)と、自身のオリジナル漫画に登場するキャラクター「下半身くん」を描いた作品も展示する。

 加藤さんは「世の中には良い意味で『?』が必要だと思っていて、発想によって異なる捉え方になるのがアートの面白いところ。そんな部分を感じてもらいたい」と呼び掛ける。

 展示作品の大半が購入可能。加藤さん栽培の多肉植物も少数だが出展する。13日午後2時からは展示とコラボレーションした東北舞踏集団「三角標(みがくし)」によるパフォーマンス「過渡期」(前売り1500円、高校生以下無料)も行われる。

 入場無料。開場時間は午前9時~午後5時。会場は国道284号を一関市方面から宮城県気仙沼市方面に進み、千厩署前交差点を右折して車で5分ほど直進。目印の看板と駐車スペースを設ける。

 問い合わせは加藤さん=080(6006)3120=、三角標については岩渕如妙さん=070(5326)8118=まで。

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