北上・西和賀

調査踏まえ工法検討 連絡会議で対応確認 西和賀・国道107号崩落危険箇所

約50センチの開口幅、30センチほどの段差が生じている国道107号の現場付近=2021年6月9日午後、西和賀町大石、県南広域振興局北上土木センター提供

 のり面崩落の恐れがあるとして全面通行止めとなっている西和賀町内の国道107号復旧に向け、第2回西和賀町大石地区斜面変状情報連絡会議は10日、北上市芳町の北上地区合同庁舎で開かれた。地滑りが続く現地の変状や湯田ダムへの影響、関係機関の対応について情報を共有。6月中に出される調査結果を踏まえ、対策工法の検討に入ることを確認した。

 会議には新たに北上署とJR東日本盛岡支社が加わり、両市町や県、国などの関係機関の担当者が出席。

 事務局の県南広域振興局北上土木センターは、滑落した崖上部に設置した伸縮計で5日間で11センチの変位、崖下部の伸縮計では約1カ月で連日少しずつ動き23センチの変位があったと説明。現場付近の道路で約50センチの開口幅と約30センチの段差が生じ、日々動いている現状を報告した。

 土砂崩落が道路脇の湯田ダムに達した場合、波が発生する危険性があり、北上川ダム統合管理事務所は付近の耳取地区に大型土のうを設置。動きを常時監視カメラで注視しながら、地滑りを誘発しないよう慎重に水位を低下させているとした。

 地滑りと波発生時に備え、西和賀町は耳取地区で住民説明会を開いたと報告。波発生時のJR、北上土木センターなどの対応が語られた。

 県は現在、地滑りの動きを抑えようと現地で水抜き横ボーリングをしている。ボーリング調査、現場踏査、航空レーザー測量などを進め、今月中にはある程度の調査結果が示される予定。それを受け、専門家の助言を得ながら対策工法や工事期間などの検討に入る。

 同会議の座長を務める北上土木センターの及川郷一所長は「山(のり面)はまだ動いており、状況を注視しながら地滑りを抑えている。調査は順調に進んでおり、6月中にめどを付けて次のステップに入りたい」と強調した。

 現場は5月1日夜から通行止めが続き、通行再開のめどは全く立っていない。及川所長は「影響が大きいだけに、早く何とかしたいと努力している。県民、利用者に多大な不便をかけているが、引き続きご理解いただきたい」と協力を求めている。 

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