花巻

最高峰の音色触れて グランドピアノ無料開放 市文化会館【花巻】

花巻市文化会館の大ホールでベーゼンドルファーのグランドピアノを弾く市民

 花巻市文化会館(鈴木秀宜館長)は、新型コロナウイルスの影響で利用が低迷している大ホールで、世界的なピアノメーカーのグランドピアノを一般の人が無料で弾くことができる「HALLde(ホールデ)ピアノ」を始めた。7月までの予定で、同館では「芸術文化の楽しさや披露する喜びを味わってほしい」としている。

 2020年度の同館は臨時休館を余儀なくされ、6月中旬から利用を再開したが、自主事業を含め多くのイベントの中止・延期を受け、大ホールの利用件数は前年度の3分の1にとどまった。利用人数の上限を収容定員の50%に設定しているため、観客を集めての公演を想定した大ホールの利用は低迷、来館者も減っていることから、眠っているピアノを弾いてもらうことで芸術文化に触れ、同館に気軽に足を運んでもらおうと企画した。

 無料で弾けるのは「スタインウェイ」と「ベーゼンドルファー」のグランドピアノ2台で、世界のピアノブランドの中でも最高峰とされる。同館では主にコンサートや発表会で使用され、一般の人が弾く機会は限られる。

 大ホールのステージに2台のピアノを置き、音響反射板を設置して舞台照明を当てるなど本格的な演奏空間を提供。ピアノを弾いた花巻市高木の小原則子さん(61)は「こんなチャンスはなかなかない。スタインウェイは高音が出て、ベーゼンドルファーは低い音が響き色っぽさがある。1時間は長いかと思ったがあっという間だった」と話し、音色の違いを楽しんだ。

 同館によると発表会前の予行練習、他楽器とのデュオなどさまざまな利用があり、市芸術文化係長で同館の柳原美香上席主査は「ピアノ好きな人が喜んでくれている。工夫次第で使い方は広がる。家族単位での発表会を開くのもいい」と利用を呼び掛ける。

 時間は午前9時から午後5時までの1区分1時間で、1日7区分(午後0~1時を除く)。1区分の入場定員は1組10人で、ステージに上がるのは3人までで市内在住者が利用できる。小学生以下は保護者の同伴が必要。7月は3、4の両日を予定している。

 感染予防のためホール扉は常時開放、ドアノブや椅子など触れる場所を消毒、ピアノなどは消毒できないため演奏者に手指消毒の徹底を呼び掛ける。問い合わせは同館=0198(24)6511=へ。

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