里山資源 後世へ 参加者が苗木植樹 げとうの森づくり【北上】
北上市和賀町岩崎新田地内で19日、「げとうの森づくり植樹会」が開かれた。里山資源を後世に残そうと、約30人の参加者が広葉樹の苗木約200本を植えて美しい森になることを願った。
炭焼き文化の継承を目指す同市の炭窯元楽炭(千田淳代表)が主催。チーム楽炭、いで湯までのラインを楽しむ会が共催し、岩手日日新聞社などが後援。苗木を提供した県企業局など15団体が協賛した。
植樹会は、森林資源の利用機会が減り、荒廃が進むことに危機感を抱いた千田代表が、里山再生と循環型エネルギー創出を目指して2019年に始めた。2回目となる今回は、市民を中心に小学生を含む約30人が参加。開会式で千田代表は「きょう植える苗木は、私が生きている間に使えるかどうか分からないが、四季折々に変化する美しい山を次の代に残すことが目的。楽しみながら多くの苗木を植えてほしい」と呼び掛けた。
参加者はスコップやツルハシを使って20~30センチほどの穴を掘り、コナラやクヌギ、ケヤキ、ヤマザクラ、ヤマモミジなどを丁寧に植えていった。植樹後には幼木が倒れないよう添え木をし、ひもで結んで樹種プレートを取り付けた。
前回に続き参加した同市北鬼柳の髙橋尋輝君(9)は「穴を掘ってたくさん植えるのは大変だけど面白い」と、父親の悟さん(47)と一緒に手際良く作業を進めていた。
千田代表は「周辺は杉が植林されているが、手入れをしていないので商品価値のない木がほとんど。広葉樹の森は、春に花見ができて、夏は緑の葉が茂り、秋は紅葉が楽しめる。冬は近くに炭窯を造って炭を焼きたいという構想もある」と、広葉樹の森の未来に夢を膨らませていた。