北上・西和賀

水道不要手洗い機 感染予防 災害用にも 町・循環型3台導入【西和賀】

西和賀町役場湯田庁舎に設置された循環型手洗い機

 西和賀町は29日、新型コロナウイルス対策として、水道の要らない循環型手洗い機を町役場湯田庁舎と沢内庁舎に設置、使用開始した。手洗い後の水を内蔵フィルターで浄化し、繰り返し使用できる装置で、来庁者の感染予防だけでなく災害発生時などにも有用性が見込まれる。県内の自治体で導入するのは初めて。

 設置された手洗いスタンド「WOSH」は、本体内部に20リットルの水を保持。活性炭など3段階のフィルターで水を浄化して塩素を加え、水道水以上の水質を維持する。20リットルの水を循環させて約500回の手洗いができるという。首都圏では商業施設などに設置が進んでおり、衛生面だけでなく節水や環境負荷の削減などの効果も期待されている。

 高さは106センチ、幅(直径)は70センチ、重さは水が入った状態で約100キロ。スマートフォンを清潔に保つための深紫外線照射機能も搭載している。洗剤も備えており、手洗いを開始すると洗面台の周囲のライトが30秒間点灯し、正しい手洗いの目安時間を教える。

 町は、両庁舎のほか、町立西和賀さわうち病院にも1台導入。3台を合わせた設置費用は約600万円になる。

 販売、納入を担当した北良(北上市和賀町)の笠井健代表取締役社長は「上下水道のない場所でも水を繰り返し使えるため、断水時などでも手洗いができる。災害に強いまちになるし、他の地域を支援する際の幅も広がる」とPRする。

 町総務課の三浦和浩主事は「コロナ感染が拡大している中、アルコール除菌だけでなく、水で手洗いするという原点の大切さを再確認してもらうことにつながる。移動もできるので、災害時の避難所での活用など今までなかった支援も考えられる」と話していた。

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