花巻

アナログだが残さねば 絵本への思い語る 宮西さん

展示初日にサプライズ訪問した宮西さん

 40年間にわたって絵本を書き続ける宮西達也さん。10日には萬鉄五郎記念美術館をサプライズ訪問し、来館者やファンと交流した。「好きな絵を描けて、自分の作品が長く残る。こんなにいい仕事はない」と笑顔を見せ、作家としてのこだわりや絵本への深い思いを語った。

 絵本作りでは子供だけでなく、幅広い年代が読んで楽しめる作品になるよう心掛ける。「絵本は子供のものだという認識が好きじゃない」といい、「子供はもちろん、親から絵本のファンと言われるのがうれしい。大人が絵本を手に取ってもいいし、読んで感動したっていい」と強調する。

 「話にリアリティーがなければ感動しない」と断言。物語には自身の実体験を多く取り入れており、ヒット作「おとうさんはウルトラマン」は、子供のころの父親との思い出をベースにしているという。

 「絵本は読み聞かせをして完成する」という持論があり、全国で読み聞かせ活動も続ける。「読み聞かせのことを考え、自分で声に出して文章を書く。だから、制作現場を見られたら奇妙に思われるかも」と笑う。

 絵本について「アナログだけど、残していかなければいけないもの」との思いを語る。「便利かもしれないが、タブレット端末を使って子供が一人で本を読んだり、遊ぶ姿を見たりするのは悲しい」と憂い、絵本が親子をつなぐコミュニケーションツールであり続けることを願う。

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