花巻

無人化へ高い関心 農薬散布車の実演会 大迫ぶどう産業振興協【花巻】

農薬を自動散布する無人作業車の実演を見学する農家ら

 農薬を完全自動散布する農業用無人車の作業実演会が29日、花巻市大迫町大迫の市葡萄(ぶどう)が丘農業研究所の圃場(ほじょう)で開かれた。RTKと呼ばれる高精度測位機能などを駆使し、安全で正確な農薬散布ができる無人作業車の実演を、市内のブドウ栽培農家や農業関係者らが熱心に見学した。

 ブドウ栽培の振興や生産技術の継承などに取り組む大迫ぶどう産業振興協議会(佐々木和弘会長)が、産業用ドローン(小型無人飛行機)サービスなどを提供するトップクルー花巻営業所(同市桜木町、古舘裕三代表取締役)の協力で開いた。

 同社によると、中国のドローンメーカー開発の無人作業車で、ドローンでの散布が不可能だった果樹や畑での無人化、作業効率向上を目的に開発された。地上に設置した基準局からの位置情報データを頼りに自動走行して作業を行う。

 作業車には100リットルのタンクに、左右に290度、上下に最大200度まで回転し、最大散布幅12メートルの薬剤噴霧器を搭載。最大作業効率は1時間当たり約5ヘクタールで、無人化により散布作業の負担や農薬暴露を大幅に軽減できるという。

 実演会には農家をはじめ、県や市、JA、農薬・農機メーカーなどから約30人が参加。傾斜地にあるブドウ棚で実機での作業を見学した。

 ブドウ棚の防除は4月に始まり、有人作業車による農薬散布を10回ほど行うという。同協議会第2部会の伊藤忠宏部会長は「栽培面積が減る原因に生産者の高齢化がある。無人作業車を使い代わりに散布できれば、年齢を重ねても面倒なく安全に作業ができる」などと関心を示していた。

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