山岳遭難3人死亡 県警注意呼び掛け 今年上半期【岩手】
県警は、2021年上半期の山岳遭難発生状況をまとめた。6月末現在で22件(前年同期比13件増)発生し、遭難者は28人(同19人増)といずれも増加。遭難者のうち、3人が体調不良や滑落などで死亡した。本格的な夏山シーズンを迎えたことから、県警は体力に応じた登山計画を立て、万が一の事態に備えるよう呼び掛けている。
遭難者の内訳は死者3人、重傷4人、軽傷3人、無事救助18人。年代別では未成年3人、20代4人、30代1人、40代3人、50代4人、60代2人、70代7人、80代4人で、このうち65歳以上の高齢者は13人と約半数を占めた。
態様別では、道迷いが17人で最多。目的別では、山菜採りが14人と目立った。
死者は年代別に40代と50代、80代が各1人。原因別に見ると、40代は天候の悪化で身動きが取れなくなったことが要因。50代は急な体調不良、80代は滑落により死亡した。
県警は山岳遭難の防止対策として▽体力に応じた登山計画の作成と万全の準備をする▽登山計画書を提出する▽気象や体調に応じて的確な状況判断をする―を挙げている。また、クマが出没する可能性もあることから、鈴やラジオの持参も推奨している。
岩持寿和地域課次長は「山の天気は変わりやすく、危険と隣り合わせ。体調が優れないなど不安がある場合は無理をせず、予定を変更することも大事だ」と話している。