北上・西和賀

核廃絶と平和誓う 県原爆死没者追悼式・北上

県原爆死没者追悼式で祭壇に菊の花を手向ける参列者

 県原爆死没者追悼式(県、県原爆被害者団体協議会主催)が、長崎で76回目の原爆の日を迎えた9日、北上市さくら通りの市文化交流センターさくらホールで行われた。関係者や遺族ら約50人が参列し、原爆で亡くなった犠牲者を悼むとともに、核兵器の廃絶と世界の恒久平和を誓った。【3、社会面に関連

 原爆死没者への黙祷(もくとう)に続き、同協議会の三田健二郎会長が「今年1月、われわれの切願であった核兵器禁止条約が発効した。しかし、唯一の戦争被爆国である日本は批准しておらず、到底容認できるものではない。一刻も早く批准し、条約を実効あるものにすることはわが国の当然の責務だ。どの国の誰にも、あの悲惨な思いをさせてはならない」とあいさつ。県保健福祉部の野原勝部長(代読)、髙橋敏彦市長、原水爆禁止北上・和賀地区協議会の柏葉明会長が追悼の言葉を述べた。

 第23代高校生平和大使の太田堅さん(釜石3年)は「新型コロナウイルスの影響で例年通りの広島、長崎研修ができないなど大幅に活動が制限されているが、平和を願う気持ちは変わらない。核兵器のない世界実現のために高校生1万人署名活動を行っており、こうした小さな行動の積み重ねが、平和実現への近道であると確信している」と力強くスピーチした。

 黒沢尻北高校音楽部の部員9人が「今ある平和に感謝し、これからの平和を誓うことが私たち若い世代に託された使命。私たちの思いを亡くなられた方々に届けられれば」と、「花は咲く」「坂道のうた」を合唱。澄んだ歌声が会場を優しく包み込んだ。

 最後に参列者が祭壇に菊の花を手向け、原爆死没者の冥福を祈った。

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