花巻

賢治の農業 思いはせ 直筆植物細胞観察も 聴覚障害者ら対象講座【花巻】

顕微鏡で、でんぷんやタマネギの細胞を観察する参加者

 聴覚障害のある人やその家族、ボランティアらを対象とした「暮らしの輝き応援講座」(花巻市社会福祉協議会主催)は11日、同市石神町の市総合福祉センターで開かれた。参加者約20人は宮沢賢治ゆかりの科学実験に挑戦し、賢治が抱いた農業に対する熱意の一端に触れた。

 同じ立場の人やボランティア同士の交流を図るとともに、日常生活に役立つ知識を深めてもらおうと開催。講座では、一般の人に科学を分かりやすく説明する「サイエンスコミュニケーター」の城守寛さん(63)=同市二枚橋=が「賢治さんの時代の農学体験をしよう」と題し、講話と実験を行った。

 羅須地人協会時代、賢治は講義用に植物の育ち方などを直筆絵図で表現。絵図の中では、でんぷん粒や植物の細胞なども描かれており、講座では、これらを踏まえた実験に取り組んだ。

 このうち細胞の観察では、タマネギの表皮をピンセットで薄く剥ぎ取って完成させたプレパラートを、顕微鏡でじっくりと観察。くっきりと見える細胞に、参加者は「面白い」「感動」と声を上げ、賢治が生きた時代に思いをはせた。

 同時に、果物の糖度やビタミンCを調べる実験も行われた。

 城守さんは「賢治は童話作家としては有名だが、それ以外にもいろいろな分野で活躍した人だということを伝えたい。作品にも植物との関わりが多く出てくるので、別の観点から賢治を見詰めてみると面白い」と話していた。

 参加した同市諏訪の小原悟さん(83)は「昔、ろう学校では実験を授業でやる機会がなかった。初めてだったが楽しくやらせてもらい、貴重な経験になった。講座には手話を理解してくれる人もおり、安心して受けられる」と語っていた。

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