佐野氏(1区)大林氏(2区)表明 立民県連と階氏対立構図 次期衆院選出馬【岩手】
次期衆院選の立憲民主党公認候補を目指し、岩手1区のフリーアナウンサーの新人佐野利恵氏(30)、岩手2区の前釜石市議の新人大林正英(57)は14日、それぞれ会見を開き、正式に出馬を表明した。立民県連は15日に常任幹事会を開き、両氏の党本部上申を決定する。
佐野氏は盛岡市出身。早稲田大卒。釜石市復興支援員などを経て、2016年からフリーアナウンサーとして活動。達増拓也知事から出馬に向け声を掛けられた佐野氏は「被災地で学んだことを社会に生かし、地方で活躍する青年たちの突破口を開きたい」と決意を示した。
大林氏は東京都出身。慶応大卒。旧三和銀行、コンピューターセキュリティー会社起業などを経て、15年の釜石市議選で初当選。2期目の任期中に辞職した。大林氏は「現場の声を霞ケ関に直接伝えて、現地の事業に生かせるよう責任を持った政治を実行したい」と意欲を語った。
岩手1区には、立民現職の階猛氏(54)、自民党現職の高橋比奈子氏(63)=比例東北=、共産党新人の吉田恭子氏(40)が立候補を予定している。
岩手2区には、自民現職の鈴木俊一氏(68)の出馬が見込まれ、与野党対決となる見通し。
立民県連と階氏は政治資金訴訟で和解協議を進めていたが、主張が折り合わず打ち切りとなり、次期衆院選を前にした決着は困難となった。県連は佐野氏を公認候補として上申する予定で、党本部の判断が焦点となる。階氏への対応について、県連副代表の木戸口英司参院議員は「衆院選までに訴訟の解決が見通せない状況で、階氏が県連と共に戦う意思がないことは明らかだ。佐野氏を仲間として選挙戦に臨みたい」と対決姿勢を鮮明にした。
さらに、達増知事と木戸口氏、横沢高徳参院議員の3後援会で、早急に佐野氏の後援会を立ち上げる方針も決めるなど、対立軸が強まっている。
県連の新人擁立を受け、階氏は「岩手1区の衆院議員としてなすべきことをなし、野党への期待と信頼を高めていく」とのコメントを出した。
立民県連は共産党、社民党と野党統一候補者の選定に向けた協議を重ねており、新人2人の擁立を報告する方針。県連では「野党統一候補として認められるよう丁寧に話を進めていきたい」としている。