凍霜害 影響色濃く ナシ出荷へ留意点確認 JA平泉果樹部会
JAいわて平泉果樹部会は19日、一関市大東町摺沢の同JA東部園芸センターと同市花泉町金沢の西部園芸センターでナシの出荷目ぞろえ会を開いた。同管内でも2021年産のナシは春の凍霜害の影響で収量が減少する見通し。同部会梨専門部の部員らは収穫開始を目前に控え、収穫や出荷の留意点などを確認した。
同JA管内のナシの生産者は花泉町と大東町に10人おり、約8ヘクタールの面積で主に「幸水」「豊水」「南水」を栽培している。同日は新型コロナウイルス感染防止対策も考慮し2会場に分けて目ぞろえ会を開催した。
このうち、東部園芸センターで行われた目ぞろえ会には大東町内の生産者3人と同JA園芸課、一関農業改良普及センターの担当者らが参加。今年産の和ナシの生産・販売の情勢報告に続いて、生育状況、収穫の目安、収穫上の留意点、出荷予約や集荷、選果などについて担当者が説明した。
JA側によると今年のナシは福島や長野、新潟、鳥取で特に中生種~晩生種に霜害・ひょう害が発生。産地によって6割から半分程度の出荷が想定され、中でも9月以降の出荷量が平年比で減少が見込まれている。
成熟状況は硬度は平年よりも低く、糖度は平年並み、地色は平年よりも高くなっており、全体として平年並みかやや進んでいるという。収穫開始は幸水の正常果で28日ごろと見込まれているが、農業普及センターの担当者は「天候によって収穫時期が変わってくるので、食味を確認してから収穫を始めるようにしてもらいたい」と呼び掛けた。
同市大東町沖田の男性生産者(76)は「今年はリンゴと同様凍霜害の影響が大きく、種類によってはどこになっているのか探すくらいだ。値段はいいようなので、出せるものについてはいくらかでも高く売れてくれれば」と願っていた。