花巻

賢治の世界朗読し収録 ものがたり☆ポランの会 「春と修羅」CDを制作【花巻】

宮沢賢治の詩「春と修羅」の全編朗読が収録された6枚組CD

 花巻市出身の詩人、童話作家宮沢賢治の作品の魅力を演劇などで伝える東京都の表現者集団「ものがたりグループ☆ポランの会」(彩木香里代表)と外山正建築士事務所(TTAO、千葉市)は、賢治の詩「春と修羅」の全編に加え、補遺詩編10編の朗読を収録した6枚組CDを完成させた。賢治の詩を言葉と音声で残したいと制作。BGMなしで文字のみを読んだシンプルなCDで、詩に描写されている情景が浮かぶような作品となっており、花巻市内の施設などで販売している。

 朗読したのは、同会の彩木代表と鈴木太二さん、美沙さんで、「宮沢賢治コレクション」(筑摩書房)を底本とした。歌唱の要素が濃い「原体剣舞連(はらたいけんばいれん)」については、歌手の竹田惠子さんが担当した。

 CDは2018年から制作を始め、スタジオ録音を含め約3年で作り上げた。

 彩木代表らは、詩中に登場する、賢治が歩いた県内各地を実際に訪れたり、花巻市で方言を教わったりした上で、朗読に臨んだ。彩木代表は「詩には、住んでいないと分からない景色が描かれており、自分の目で確かめようと何度も足を運んだ」と、朗読に込めた情熱を振り返った。

 朗読時間は合計4時間47分29秒にも及び、全500部を制作。静かな語り口で間の取り方も工夫されており、岩手の自然の素晴らしさを伝える。

 彩木代表は「聞き手にいろんな想像をしてもらえる作品ができた。賢治が生み出した一つ一つの言葉を声に出して読んでもらえたらうれしい」と話している。

 定価7700円(税込み)。CDは同市の林風舎、宮沢賢治イーハトーブ館、山猫軒などで販売しているほか、通販サイト「BASE」でも取り扱っている。

 問い合わせは彩木代表=090(6501)9475=へ。

 メールアドレスは次の通り。

saiki@polan1010.com

ものがたりグループ☆ポランの会

 宮沢賢治の童話に魅了された人らで、2004年に設立された劇団。都内の小劇場を中心に活動し、童話や心象スケッチ、唄などを上演。物語を全て1人で語る「一人語り」や、地の文章を語り手が語り、登場人物を役者数人が演じる「語り合わせ」など、多彩な手法で賢治作品の魅力を表現する。本県でも精力的に公演を行い、7月に発表された花巻市による第31回宮沢賢治賞・イーハトーブ賞で奨励賞に輝いた。

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