一関・平泉

桑製品で苦境打開へ 出荷向け収穫進む さらなる販路拡大視野に 藤沢・佐藤静雄さん【一関】

収穫作業に汗を流す佐藤さん

 桑を使った加工品の開発・販売などを手掛ける一関市藤沢町藤沢字馬ノ舟の佐藤静雄さん(77)は、仲間の協力を得ながら加工に使用する桑葉の収穫を行っている。コロナ禍でも、インターネット販売では健康志向の客層を中心に人気の桑製品。今後のさらなる販路拡大も視野に入れ、出荷に向けて作業を進めている。

 佐藤さんは、現地で農家民宿「観樂樓(かんらくろう)」やフラワーガーデン、どぶろく工房を営んでいる。この地方で盛んだった養蚕にちなみ、遊休農地を利活用して桑の栽培を始めたのは10年ほど前。収穫した桑葉はお茶やパウダー、うどんなどに加工して販売を続けている。

 隣接する広さ15アールの桑畑では、今季も緑色が鮮やかな葉が順調に成長した。22日は地域住民の応援をもらい、刈った枝を1メートルほどの長さに切って集めた後、丁寧に葉を摘み取って袋詰め。軽トラック2台に積み、早速1次加工を委託する北上市の業者に持ち込んだ。収穫は29日にも行う。

 新型コロナウイルスの影響で、農家民宿は2020年から宿泊客の受け入れを見合わせているほか、フラワーガーデンでは春恒例の誘客イベントを今年も中止せざるを得なかった。そんな中、県内外多くの消費者に愛顧される桑製品は、苦しい状況の打開に期待を寄せる売れ筋。「縄文桑茶パウダー」なども取り扱っており、世界遺産登録で光が当たる「縄文」というワードでも販路開拓を目指す。

 佐藤さんは「今季の桑葉の成長もとても良い。地元の人たちや加工に関わってくれる人など、さまざまな協力と支援がありがたい」と感謝。桑製品については「もちろん葉を収穫して終わりではなく、売らないといけない。『縄文』に関係する需要なども見据え、販売の道を広げていきたい」と意気込んでいる。

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