奥州・金ケ崎

野菜の大切さPR 前沢保育所で食育教室 那須野製作所【奥州】

水沢工場でのレタス栽培の様子を紹介する那須野社長(左)
食育教室で屋内水耕栽培のレタスを頬張るあおぞら園の園児

 奥州市水沢の工場で完全閉鎖型の屋内水耕栽培レタスを生産している那須野製作所(本社一関市、那須野俊章代表取締役社長)は25日、奥州市立前沢保育所「あおぞら園」(佐藤範久園長、園児129人)で食育教室を開いた。自社製品を通して園児たちに屋外栽培との味や違いを解説し、野菜の大切さをアピールした。

 同社は事業の一環で7月から同園に自社のレタスを無償提供している。同日は那須野社長(60)らが給食に合わせて訪れ、年長児のうち26人を前に大型写真で生産工程などを解説した。

 那須野社長は水沢工場(同市水沢中田町)の様子を紹介し、路地レタスとの違いを中心に▽LED(発光ダイオード)照明を太陽代わりに24時間管理しての栽培▽苦みなど癖がない味で、通常より高い栄養分もある▽天候に左右されず生産でき、価格や供給量が安定している―などをかみ砕いて説明。「肉やお菓子ばかりでなく野菜もしっかりと取り、バランス良くおいしくご飯を食べて」と呼び掛けた。

 園児は自らレタスを洗い、生のほか給食のおかずに巻くなどして賞味。あちこちから「おいしい」との声が上がった。高橋あかりちゃん(5)は「レタスは好き。おいしいのでこれからも食べたい」と話した。

 同社は元々、自動車部品の製造が本業。事業継続の展望を描く中、東日本大震災に伴う原発事故で路地作物が影響を受けたことも重なり、農産物の屋内生産に着目して業態転換を進めている。

 現在は3種類のフリルレタスを日に400個出荷しており、需要に応えて年内には日産700個ほどを実現したい考え。那須野社長は「子供たちが喜んで食べてくれたのなら、県内でも消費が伸びるはず。野菜は『屋菜』に変わっていく」と手応えを語った。

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