一関・平泉

コロナ禍に学ぶ先人の教え 清庵カフェ 「民間備荒録」「備荒草木図」専門家が解説 飢饉救った植物も展示【一関】

書に描かれている図と写真を見比べながら功績を紹介した清庵カフェ

 江戸時代に一関藩医を務めた建部清庵(1712~82年)の顕彰と地域活性化を目指す市民団体「清庵の里」は26日、清庵カフェを一関市大町のなのはなプラザで開いた。清庵が飢饉(ききん)に備えて食用植物の栽培方法や山野草の解毒作用などを記した「民間備荒録」「備荒草木図」について専門家が解説し、その功績の一端に触れた。

 清庵カフェは、野草について学びながら交流を深めることを狙いに定期的に開催予定。2021年度初回の今回は、新型コロナウイルス感染拡大で医療への関心が高まる中、清庵の教えを改めて学ぼうと、市博物館主幹の相馬美貴子さんによる講演が行われた。

 会員ら20人余りが参加。相馬さんは、時の太鼓と並び「一関に過ぎたるもの」と称された清庵の生い立ちなどを紹介。蘭学者杉田玄白との交流にも触れながら、肖像画に「病は口から入り、災いは口から出る」という趣旨の文が書かれていることも示し、「口から入るものには気をつけろということで、マスク着用が欠かせない今の時代にも通じる」とした。

 民間備荒録については「藩の力に頼らず民間の力で備蓄や救済方法をとろうという考えの元に執筆されている」と強調。清庵が奨励したとされる「四木一草」(カキ、クリ、ナツメ、クワ、菜の花)の栽培について書かれていることが広く知られるが、備蓄や在庫管理なども細かく記されていることで「どう蓄え、どう運用していくかについて書かれていることも知ってもらいたい」と語った。

 文字の読めない庶民にも一見して分かるようにと図解の書となる備荒草木図については、実際の写真と書に描かれている図を見比べながら解説した。

 民間備荒録には「ある人がとなえ、他の人がこたえる、何と美しいことか」と記され、伝承の大切さを示していることも紹介していることで「時を経た今もなお私たちに呼び掛けている。学ぶところはたくさんある」と締めくくった。

 会場には「飢饉を救った野草たち」として、両書で示され、市内で採取されたアケビやシソ、フキ、カラムシ、ドクダミ、イタドリ、クズなどの植物が展示され、訪れた人たちが感心しながら見入っていた。

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