北上・西和賀

がん患者も住みよいまちへ コロナ禍、活動に邁進 RFL実行委員長 髙橋寛美さん【北上】

RFLジャパンきたかみ実行委員長の髙橋さん。がんと闘いながら、コロナ禍にあっても活動に邁進している

 がん征圧、がん患者支援チャリティーウオークイベント「リレー・フォー・ライフ(RFL)ジャパンきたかみ」実行委員長を務める髙橋寛美さん(45)=北上市村崎野=。自らもがんと闘いながら、これまで北上でのRFLイベントを主導してきた。「助かった命。後悔のないよう生きたい」と、コロナ禍にあっても「がんになっても住みよいまち」へ活動に邁進(まいしん)している。

 髙橋さんは39歳だった2015年7月、進行性の肺がんと診断された。空ぜきから徐々にせき込むようになり、検査の結果、縦隔リンパ節や腹部、骨に転移が判明。遠隔転移のため手術不可能とされた。

 当時は結婚から約2年。喫煙歴はなく、がん検診も毎年受診していただけに「ショックだったが絶対生きたい、一分一秒でも早く治療を始めたい」と主治医に訴えた。通常の抗がん剤ではなく新薬の投与を受け「初めは不安だった」ものの出血も止まり、症状は落ち着いた。目立った副作用もなく3カ月ほどの病休を経て、高齢者福祉施設の職場にも復帰した。

 がん発病当初は「後ろめたい気持ちになり周囲にも話せなかったが、公表してみんなと話すうちに苦しくなくなった」と振り返る。退院後、知人の看護師からRFLの活動を知り釜石市のイベントに参加。「同じ病気を持つ人たちが同じ時間、空間で話せる場があれば。北上でもできたら」との思いを強くし、16年にも一関市のRFLイベントに参加しノウハウを吸収。北上で20人ほどの実行委員会を立ち上げ、仲間の推挙で実行委員長に就いた。

 17年、北上で初のRFLイベントを開催。リレーウオークやキャンドルナイト「ルミナリエ」などで、がんで亡くなった人々をしのび、患者らが共に支え合う心を一つにした。

 19年まで3年連続で開催し認知度もアップ。実行委員も40人に倍増し、年々参加者も増えた。寄付金は、新薬開発や若手医師養成などに役立てられ「自分も新薬に助けられただけに、貢献したい」との思いも活動の原動力となった。

 普段は、地域包括支援センター展勝地の主任介護支援専門員(ケアマネジャー)として働く。20年春から特に気を使ったのが、新型コロナウイルスの感染防止対策だ。症状が落ち着いているとはいえ、がんと闘病の最中、高齢者相手の仕事だけに「油断はできない。自分はもちろん、関わる高齢者にもうつしてはいけない」と相当の神経を使う日々。訪問先から戻るごとにマスクを交換し、車内にも消毒液を置き小まめに繰り返し消毒を徹底。2度のワクチン接種を終えた現在も同様だ。

 新型コロナの影響で、20年のRFLイベントは中止したが、きたかみE&Beエフエムで昨年10月から毎週レギュラー番組「医療と福祉の現場から」を放送。がん治療をはじめ医療、福祉の実情を市民に伝えている。一方、がん支援の各種活動は自粛を余儀なくされ「本来、患者さんが会って直接話せる場がなくなっている。(ウェブ会議システム)Zoom(ズーム)もいいが、やはり人と人との触れ合い、対面の良さを改めて感じた」と実感する。

 今年はリレーウオークやリアルでのイベントを予定していたが、県独自の緊急事態宣言発令を受けオンライン配信となる。「困っている人や話せない方々が声を上げ、がんになっても住みよいまちへ今後も活動していきたい」と決意を新たにし、来年は3年ぶりのリアルでのイベント開催をと意気込んでいる。

来月4日にリレーイベント
ユーチューブでライブ配信

 RFLジャパンきたかみ実行委員会は、9月4日午後3時から動画投稿サイト「ユーチューブ」でリレーイベントをライブ配信する。

 髙橋実行委員長のあいさつに続き、RFLの活動を紹介。がん患者と家族の病気への向き合い方、残された時間をどう過ごすかをテーマとしたラジオドラマ、ルミナリエセレモニー、北上ミューズコーラス隊の合唱などが上映される。

 詳細はRFLジャパンきたかみの公式ホームページで。

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