北上・西和賀

“ラストラン”なく幕 4年連続 北上マラソン中止

 北上市は31日、北上陸上競技場を発着点とする日本陸連公認コースで10月10日に開催予定だった「2021年周年記念いわて北上マラソン大会」の中止を発表した。新型コロナウイルス感染急拡大で県独自、全国各地に緊急事態宣言などが発令され、収束の見込みが立たないことから市や関係機関で組織する実行委員会が4年連続の中止を決定。県内の先駆けとなったフルマラソン大会は第20回の今回で最後を飾るはずだったが、「ラストラン」もなく寂しく幕を閉じる。

 同大会はマラソンを通じて北上を全国にアピールしスポーツ振興を図ろうと、2001年に県内初のフルマラソン大会として始まった。参加者は年々増え、15年には過去最多の3088人が北上路を力走した。

 16年に希望郷いわて国体・希望郷いわて大会で休止し17年に再度開催したが、18、19年は台風接近のため、20年は新型コロナにより3年連続で中止された。

 一方、実行委は全国に北上をPRする所期の目的は達成され、県内先駆けのフルマラソンとして他自治体に影響を与えたことなど、一定の成果を挙げたと判断。日本陸連のコース公認が今年で切れることもあり、更新せず今大会をもって最後としていた。

 4月15日からエントリーを受け付け、当初予定の2000人に達し6月4日に締め切った。42都道府県から2004人(フルマラソン1568人、10キロロードレース322人、5キロ同114人)がエントリー。4年ぶりの開催を目指し実行委で準備を進めていたが、8月12日に県独自の緊急事態宣言が発令。全国的にも多くの都道府県で緊急事態宣言、まん延防止等重点措置が発令され、収束の見込みが立たない中、全国から人を集めて開催はできないと判断した。

 31日の記者会見で、大会会長の髙橋敏彦市長は「今回が最後で、3年連続中止だっただけに実行委を中心にかなり力を入れて準備をしてきたが、残念ながら今後も見通しが立たない。他のマラソン大会や大きなイベントも中止となり、このまま進むことができない。多くのボランティアが必要だが、集まりも鈍い。来年への延期も検討したが、(日本陸連)公認として役割を終えているとの判断もありやむなく中止とした」と説明。苦渋の判断だったとした。

 「来年以降はどんな形で後継イベントとするか、市民と一緒に考えている」とし、実行委では楽しく走ることを主眼としたイベントを模索していく。

 参加料は全額返金する。問い合わせは実行委事務局の市スポーツ推進課=0197(72)8270=へ。

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